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平成27年(2015年)12月5日(土) / 南から北から / 日医ニュース

スズメに給餌

 今年もスズメに給餌を始めた。15年ほど前から一面に降雪し根雪になると、庭の藤棚の下に餌台を作り、朝夕給餌している。餌は販売されているニワトリの餌で、一冬に17キロの袋が3袋必要である。
 最初の頃は100羽くらいのスズメが来ていたようだ。観察していると、30羽ほどのグループが3グループ来ていた。各グループには2~3羽の見張りのスズメがおり、グループ内の連絡をとっているように思われた。朝夕、餌台に餌を入れると、見張りのスズメがどこかに飛んで行きグループを呼んで来る。
 各グループはグループ毎に5~10分位で満腹になり、次のグループと交代する。しかし、体が小さいので1時間ほどで空腹になり、1日に7~8回食事をしているようだ。
 15年前には3グループ、100羽ほどのスズメが来ていたが、年々数が減少し、ここ2~3年は1グループの30羽ほどしか来なくなった。これは日本各地でスズメが減少していると言われていることと呼応している。
 スズメの減少の原因にはいくつか考えられるが、正確には分からない。まず、最近の住宅は瓦屋根や外壁が板ではなく、巣を作りにくくなった。また、田圃(たんぼ)ではコンバインで稲刈りをするようになり、落穂がなくなった。更に、稲を「はざかけ」しなくなり、スズメが食べられなくなった。スズメは人間社会の近くで生息して、人間や人工物の恩恵を受けて共生する野生の動物で、「シナントロープ(人類同調種)」と言われる。人里離れた集落が廃屋となり、住民がいなくなるとスズメもいなくなるらしい。
 15年も給餌をしているが、スズメは馴れてくれない。上野公園には手からパンを食べる「手乗りスズメ」がいるそうだが、僕の愛情が足りないのかも知れない。野生のスズメの寿命は2~3年だそうなので、わが家に2~3年は来ていると思われるのだが。

新潟県 新潟県医師会報 第778号より

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