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平成27年(2015年)12月20日(日) / 日医ニュース

水銀廃棄物の回収事業の実施に向けノウハウを説明

水銀廃棄物の回収事業の実施に向けノウハウを説明

水銀廃棄物の回収事業の実施に向けノウハウを説明

 平成27年度都道府県医師会医療廃棄物担当理事連絡協議会が12月2日、日医会館小講堂で開催された。
 水銀を使った機器の製造と輸出入については、平成25年に外交会議で採択された「水銀に関する水俣条約」により、平成32年以降、原則として禁止される見通しとなっているが、水銀汚染防止の観点から、使用されなくなった水銀血圧計の処理などを巡って協議が行われた。
 冒頭、あいさつに立った横倉義武会長は、「水銀血圧計等の廃棄には公衆衛生、国民生活安全上の問題もあるため、組織的な回収を全国的に行っていく必要がある」として、適正な処分への協力を求めた。また、今後、在宅医療の推進に伴い自宅等からの廃棄物も増えていくことから、在宅医療廃棄物の処理責任を負っている市町村とも協議、連携していくことが重要だとした。
 議事では、まず、羽鳥裕常任理事が日医の取り組みについて報告した。水銀廃棄物については、「本来は製造業者に責任があるが、製造業者が日本には1社のみとなり、他国から輸入されている状況では責任を求められない」として、医師会が回収事業に取り組む意義を強調。水銀血圧計・水銀体温計の回収促進のモデル事業、保有数を調べるためのアンケート調査などを実施したことや、政府に財政支援を求めたことを報告するとともに、定期的なメンテナンスが不可欠な水銀血圧計から、電子機器による血圧測定へ移行することを推奨した。
 また、在宅医療廃棄物について、医療機関へ返すものと自治体のごみ収集に出せるものとの分別を説明するためのポスター例を紹介し、医療機関へも周知が必要だとした。
 この他、医師や看護師、事務職員が廃棄物に関する知識を学ぶ場として、平成18年度から講習会を行っており、1万1000人以上が受講したことを報告した。
 これを受け、指定発言として橋本雄幸東京都医師会理事が、同医師会の取り組みを紹介。都内の焼却炉が、自己規制値を超える水銀濃度を検出したため何度も緊急停止し、その復旧に膨大な費用が掛かっていることを背景として、医療機関がまだ相当の水銀血圧計や水銀体温計を保有している現状を鑑み、平成24年度より組織的な回収に踏み切ったことを説明した。これまでに回収したものは、水銀血圧計7417本、水銀体温計8664本、水銀のみ11・3キロと、大きな成果を上げており、非会員にも呼び掛けて同医師会で回収を受け付けているとした。
 続いて、深見正仁環境省大臣官房審議官が、「水銀に関する水俣条約」の概要を説明した上で、その対応として、水銀血圧計・水銀体温計の回収モデル事業やセミナーを行い、その知見を基に「医療機関に退蔵されている水銀血圧計等回収マニュアル」を策定していることを報告。来年度からは回収事業を全国展開するとし、「各医師会の協力を得ながら進めていきたい」と述べた。
 また、渡辺聡環境省廃棄物・リサイクル対策部産業廃棄物課適正処理・不法投棄対策室主査が、同マニュアルについて詳説し、都道府県医師会を事業実施単位、郡市区医師会を回収単位として、医療機関から回収していくスキームを説明した。
 全体協議では、水銀の処理業者や運搬業者の選定、回収受付の料金設定など、実務的な質問が多く出された。
 最後に、今村聡副会長が、「医療機関から出された水銀廃棄物が事故につながると社会問題になる。回収は環境への負荷を減らすだけでなく、医療機関や医師会を守るためのリスクマネジメントの課題である」と総括した。参加者は、テレビ会議システムでの参加も含めて、合計129名であった。

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