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平成28年(2016年)2月20日(土) / 南から北から / 日医ニュース

目の黒いうちに......

 高校生まで、暇があれば書店巡りをしていた。若松書院から始まり、荒井書店、福島書房、西潔書店と4軒を回り、大体はマンガ本あさりで、銃器関係の雑誌や本、探偵小説やSF小説など、まあ、あまり学問に資する書籍は購読してはいなかったが。

 時代の流れだろうか、私の歩ける範囲での本屋がどんどん姿を消し、旭書店という大きな本屋ができて、やれうれしやと思ったのに、それも姿を変えてしまった。そのような中、やっと1軒、ただしDVDとCDの貸し出しもする本屋ができて、今に至っている。

 ほとんど毎日顔を出して、相変わらず購入するのはマンガや銃器関係が主で、時々小説や医学関係のノンフィクションを購入している。書店員とはすっかり顔なじみで、注文した書籍や、店頭で見つけた本の取り置きもしてもらっている。

 いつものように本を買い、戦争もののDVDも借りた時、女性の書店員が言った。

 「先生は幼稚園の健診もしていますよね。私の息子が年少クラスにいるのですが、先生の健診の後、目のお医者さんになる、って言い出したんです」と、笑顔で伝えてきた。これまでは何とかレンジャーになる、と言っていたのが、目のお医者さんになると言い出したと、子どもの成長を喜んでいた。

 「それなら、大学は県立医大がいいよ。地元枠があるし、公立だから学費も安いよ」と教えると、うれしそうにお礼を言われた。

 そうか、会津から将来眼科医が出るのか、と私もうれしくなったのだが、待てよ。年少組というと、3歳、大学受験の18歳まで15年もある。その間、目のお医者さんになるという希望を持ち続けられるだろうか。

 持ち続けたとして、現役合格もでき、6年間で卒業し、医師国家試験も無事合格できたとして、24歳。その後現在の制度が続いていたら、2年間の研修があり、眼科医になるのはその先ではないか。目のお医者さんと自負できるには、まあ、4年の眼科研修があったとして、トータルで27年、その時私は何歳になっているの?

 私の目の黒いうちに、若い眼科医の誕生が果たして見られるのだろうか、ねえ、神様仏様。

福島県 会津医師会報 598号より

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