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平成28年(2016年)2月26日(金) / 「日医君」だより / プレスリリース

平成26・27年度病院委員会答申「地域医療構想(ビジョン)に基づく新たな医療計画への対応」について

 鈴木常任理事は、2月24日の定例記者会見で、会内の病院委員会が、横倉義武会長からの諮問「地域医療構想(ビジョン)に基づく新たな医療計画への対応」について答申を取りまとめ、同月17日に松田晋哉委員長(産業医科大学教授)から横倉会長に提出したとして、その概要を説明した。

 答申内容は、(1)地域医療構想の概要、(2)地域医療構想で利用される資料、(3)地域医療構想の考え方、(4)超高齢社会における医師会の役割―からなっており、巻末には、各地域での取組の状況(北海道、山形、新潟、東京、愛知、兵庫、広島、徳島)が参考資料として付記されている。

 (1)では、「医療は地域の安心を支える重要な社会的共通資本であり、病床削減は地域医療構想の目的ではない」など、地域医療構想の本来の目的について改めて指摘。

 (2)では、今回の地域医療構想策定に当たって提供されている、各地域における現在の医療提供体制を分析するためのデータブックの各種ツールの説明とともに、病床機能別病床数の推計ロジックについて説明している。

 (3)では、福岡県の京築医療圏での、構想の立案手順を具体的に示した。また、今後の課題として、1.回復期病床の考え方―地域包括ケアとの関係から2.慢性期の患者をどのように支えるのか3.医療職の確保4.医療の質評価との連動5.住民及び患者の理解6.緩やかなケアミックス7.施設の適切な役割分担―を列挙。その対応策についても触れている。

 (4)では、超高齢社会では医療や介護の枠を超えた対策を行うことが求められており、それなしには地域医療構想や地域包括ケアの議論で目指されているシステムを構築することは難しく、行政側が各地方自治体の基本構想にかかわる問題であるとの認識を持つことが必要であると指摘。地域住民の安心のための必要条件としては、「学校」と「医療施設」を挙げ、低経済成長においては適正利益率と持続可能性を基準として、各施設が連携することが望ましく、そのためにも、各都道府県医師会の調整機能が重要となると強調している。

 最後に、同常任理事は、「全国の医師会にも、ぜひ本報告書を参考として、地域医療構想に関する適切な話し合いをして欲しい」との考えを示した。

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