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平成28年(2016年)3月4日(金) / 「日医君」だより / プレスリリース

健康スポーツ医学委員会答申「国民が運動・スポーツを通じて健康寿命を延ばすための仕組みづくり」を受けて

 釜萢敏常任理事は3月2日の定例記者会見で、健康スポーツ医学委員会が、横倉義武会長からの諮問「国民が運動・スポーツを通じて健康寿命を延ばすための仕組みづくり」について答申を取りまとめ、2月24日に川久保清委員長(共立女子大学教授)から横倉会長に提出したとして、その概要を説明した。

 内容は、(1)健康寿命延伸と健康スポーツについてのエビデンス、(2)運動を困難にする状況と対策、医師の関わり、(3)健康寿命延伸・健康スポーツを取り巻く新たな動き、(4)運動療法、健康スポーツを推進するための人材、特に医師の役割、(5)運動療法のための施設の在り方、(6)健康スポーツを広げるためのインセンティブの在り方、(7)仕組みを活性化するための提案(法制化、制度改正等の要望)、(8)東京オリンピック・パラリンピック開催に向けて、(9)答申を具現化するために、関係者がすべきこと―を柱として構成されている。

 (1)では、健康づくりや介護予防に対する運動の効果を記した上で、(2)では、運動にはリスクがあることや運動を継続するには何らかの支援が必要であることに言及。

 (5)では、フィットネス事業者がリスクを持つ可能性のある利用者の指導を始めるに当たり、医学検査や医師の助言が必要になるとする一方、医療機関側は「運動療法が必要な患者」を抽出できても具体的な運動指導が難しいとして、医療機関とフィットネスクラブとの連携を提言。運動療法を進めるための仕組みとして「運動療法連携パス」を打ち出し、医療機関から同じ居住地域のフィットネスクラブに有所見者を紹介するとともに、フィットネスクラブからは医療機関へ利用者の運動実践の記録や体力検査をフィードバックすることができるようになるとした。

 (9)では、答申を具現化するため、かかりつけ医、健康スポーツ医、産業医など関係者ごとに取り組むべき事項を列記。地区医師会には、健康スポーツ医部会の組織化、運動療法連携パスの構築支援を求めている。

 結びに同常任理事は、「国民の健康を増進させるため、本答申にはさまざまな角度の提案がなされている。都道府県・郡市区医師会と共に、運動が活性化されるよう努めていきたい」と述べた。

 なお巻末には、参考資料として、「第20回 日医認定健康スポーツ医制度再研修会 受講者アンケート結果(まとめ)」が添付されている。

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