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平成28年(2016年)4月20日(水) / 「日医君」だより / プレスリリース / 日医ニュース

『かかりつけ医として 知っておきたい遺伝子検査、遺伝学的検査 Q&A 2016』を公表

日医定例記者会見 3月23日

 小森貴常任理事は、『かかりつけ医として知っておきたい遺伝子検査、遺伝学的検査 Q&A 2016』を4月1日付けで発刊したことを公表した。
 本Q&Aは、「遺伝子検査」「遺伝子診断」「遺伝子治療」等、今後、患者あるいは家族からの「遺伝子検査を受けたい」という依頼・質問に応じる機会が増えてくることが予想されることから、かかりつけ医として知っておくべきことをQ&A形式に取りまとめたものである。
 内容は、第VIII次学術推進会議への会長諮問「遺伝子診断・遺伝子治療の新しい展開─学術推進の立場から─」及び第XIV次生命倫理懇談会への会長諮問「遺伝子診断・遺伝子治療の新しい展開─生命倫理の立場から─」を基に両会議において議論を重ねた結果をまとめたものとなっており、初めに全体像を示した「遺伝子検査に関するフローチャート」では、遺伝医療の専門家への紹介が不要なものと必要なものに区分した上で、「基本事項1~4」「遺伝医療の専門家を介さずに行われる検査1~3」「遺伝医療の専門家に紹介すべき検査1~3」「留意事項1~5」の計15題の想定質問に対する回答が明記されている。
 「基本事項」では、「DTC遺伝子検査(検査会社が医療消費者に直販する形式)」は医療ではないと断言することはできないと明確に示すとともに、「DTC遺伝子検査」を始めとする、いわゆる「遺伝子検査ビジネス」の流行を問題視。最近急速に増加しているインターネットを介しての通信販売や、遺伝医療を専門としない医師や歯科医師を介して提供されている「遺伝子検査ビジネス」商品と同等の検査の販売などは実施されるべきではないと強調している。
 「留意事項」では、医療である、ないにかかわらず、遺伝子情報を明らかにする場合には、検査の一連の過程が正しく実施されていなければならないとし、「DTC遺伝子検査」は国際的にも議論中であり、希望者に対しては、特に慎重に判断するよう指導すべきとしている。
 小森常任理事は、「昨今、進歩が著しい遺伝子分野の技術は、今後、一般の国民や通常の診療の場面にも広がっていく可能性があることから、一般臨床に携わる医師に最低限知っておいてもらいたい内容をできるだけ分かりやすく解説した」とした上で、企業側が医療ではないとの考えの下に消費者向けのビジネスとして無制限に「DTC遺伝子検査」が実施されている現状を憂慮。「引き続き、強く警鐘を鳴らしていく」とした。
 なお、本Q&Aは、『日医雑誌』4月号に同封して日医会員に配布した他、日医ホームページ及び「日医Lib」に掲載する予定となっている。

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