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平成28年(2016年)5月5日(木) / 日医ニュース

専門医の認定・更新や日医かかりつけ医機能研修にも日医生涯教育制度を活用

専門医の認定・更新や日医かかりつけ医機能研修にも日医生涯教育制度を活用

専門医の認定・更新や日医かかりつけ医機能研修にも日医生涯教育制度を活用

 平成27年度都道府県医師会生涯教育担当理事連絡協議会が3月24日、日医会館小講堂で開催された。
 小森貴常任理事の司会で開会。冒頭あいさつに立った横倉義武会長は、日医の生涯教育制度について、講習会等において学習した時間と内容をより的確に評価するため、カリキュラムコード(以下、CC)の内容変更、CCや単位の付与方法を見直す改正を行ったことを説明。都道府県医師会の日頃の協力に謝意を示した上で、「日医の生涯教育制度は、診療報酬体系や新しい専門医の仕組みとの連携も求められるなど、その重要性がこれまでになく注目されている。地域の先生方が更なる自己研鑽(けんさん)に励んで頂けるよう、引き続きご協力をお願いしたい」と述べた。
 議事では、まず、小森常任理事が、平成26年度日医生涯教育制度の集計結果として、①単位取得者総数は11万3281人で、日医会員の単位取得者率は61・7%②平均取得単位は17・6単位③平均取得CCは15・4で、取得単位とCC合計の平均は33・0④制度改正後、3回目の「日医生涯教育認定証」発行となり、4744人に発行した―ことなどを説明。更に、指導医のための教育ワークショップ、生涯教育協力講座セミナー、e-ラーニングなどの生涯教育関連事項について報告した。
 続いて、倉本秋日医生涯教育推進委員会委員長が、同委員会のこの1年間の報告を行った。その中では、日医生涯教育制度のあるべき姿を考えるとともに、従来からの生涯教育のシステムを新しい専門医の仕組みに適合させるべく検討を重ねた結果を基に、同委員会及び同委員会内に設置された「日医生涯教育制度に関するワーキンググループ」において日医生涯教育カリキュラムの改訂作業を行ったことを説明した。
 また、総合診療専門研修指導医の候補とされる要件を示し、「地域医療の現場で十分な経験を積んでいる先生には、医師会からの推薦を受け、総合診療医を育てる役割を果たして頂きたい」と述べた。
 小森常任理事からは、「平成28年度からの日医生涯教育制度と全国的な研修管理システムの導入」と題し、研修会ごとの合計時間を基準としたCC・単位付与を、講演内容に対応した時間ごとのCC・単位付与とすることで、学習した時間と内容をより的確に評価する仕組みとなったことを説明。また、各学会・日本専門医機構とも交渉した結果、各地で開催されている日医生涯教育制度認定講習会の中で、一定の要件を満たしたものは、専門医の認定や更新に必要な単位として取得することも可能になったとし、その活用を求めた。
 矢野一博日医総研主任研究員は、「全国的な新研修管理システムについて―講習会管理と単位管理の連携―」と題して講演。全国の医師会で開催される研修をデータセンターで統合的に管理するシステムが整ったとし、実際の画面を操作しながら、講習会の登録や受講予定者リストの作成など、利用の流れを解説した。
 講習会の前には、出欠管理アプリケーションと単位同期プログラムをインストールしたパソコンを用意し、会場では出席者リストのチェックと「医師資格証」による受け付けを行い、終了後にインターネットにつないで単位管理システムとの間で出欠情報を同期させるとした。
 鈴木邦彦常任理事は、「日医かかりつけ医機能研修制度について」と題して講演。4月から実施される同研修制度は、(1)基本研修:日医生涯教育認定証の取得、(2)応用研修:日医や地域医師会が主催する規定の座学研修を10単位以上取得、(3)実地研修:規定の活動を2つ以上実施(10単位以上取得)で構成され、各要件を3年間で満たした場合に都道府県医師会から修了証書または認定証が発行されるとし、修了申請は、毎年12月から翌年1月の2カ月間、基本的に会員は郡市区医師会で、非会員は医療機関所在地の都道府県医師会で受け付けることを説明した。
 質疑応答では、CCや研修管理システムの具体的取り扱いに関する質問が相次ぎ、小森・鈴木両常任理事が回答。小森常任理事は、今後Q&Aの作成を検討するとした。出席者はテレビ会議システムによる参加を含めて186名。

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