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平成28年(2016年)5月12日(木) / 「日医君」だより / プレスリリース

母子保健検討委員会答申「成育過程における保健医療の諸課題と具体的対策」について

 今村定臣常任理事は、5月11日の定例記者会見で、母子保健検討委員会が、横倉義武会長からの諮問「成育過程における保健医療の諸課題と具体的対策」について答申を取りまとめ、4月13日に五十嵐隆委員長(国立成育医療研究センター理事長)から横倉会長に提出したとして、その概要を説明した。

 本答申では、妊娠・子育てを経て、子どもが成長して次の世代を担う若年成人に至る成育過程における、わが国の保健・医療の諸課題の解決に向けた方策として、(1)安心して安全に妊娠、出産し子育てができる環境の整備、(2)増加する子どもの貧困問題と児童虐待、(3)学校や職場を通じた母子保健についての健康教育、(4)発達障害児・者と家族への支援、(5)思春期医療の整備、(6)慢性的に身体・発達・行動・精神状態に障害を持ち何らかの医療や支援が必要な思春期の子どもや青年と彼らの成人への移行、(7)子どもや青年の在宅医療への支援、(8)予防接種体制の整備、(9)well childへの対応を視野に据えた小児保健・医療体制の構築、(10)保育環境の整備─の10項目を取り上げ、その具体的対策について提案するとともに、関連資料として、「少子化対策に関する政策提言書」(平成27年中間答申)とその資料集が添付されている。

 また、「おわりに」では、わが国の、医療費、年金、教育費など国からの世代毎への支出について、65歳以上への支出が20歳未満への支出よりも圧倒的に多い状況を問題視。今後、胎児期から次世代の子どもを育てる若年成人までの保健・医療を切れ目なく支援するための理念法である成育基本法を制定し、将来を担う子どもや青年の保健・医療を充実させることが重要であるとしている。

 更に、「成育基本法(案)」について、今村常任理事は、「現在、議員立法による国会上程、成立に向け、議員連盟を中心に活動して頂いている。日医としては、今国会も含め、できるだけ早期の成立を願っている」との考えを示した。

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