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平成28年(2016年)7月5日(火) / 各地の医師会から / 日医ニュース

カザフスタン共和国医療会議所東カザフスタン支部との医療提携―長崎県医師会―

日医会館会長室にて

日医会館会長室にて

 平成27年8月、長崎県医師会は、カザフスタン共和国医療会議所東カザフスタン支部と保健・医療・福祉分野の教育・研究で相互に協力する覚書を交わした。同国セメイ市(旧セミパラチンスク)には旧ソビエト連邦)時代の核実験場があり、放射能後障害などの関係から、平成7年より長崎大学及び長崎県・市両医師会も関与している長崎・ヒバクシャ医療国際協力会(NASHIM、会長:蒔本恭長崎県医師会長)が長年にわたり同国に対し医療支援活動を行い、交流を重ねていた。
 本提携を受けて、カザフスタン共和国医療会議所代表団が平成28年1月11日から16日まで来日した。12日には、長崎県医師会館で両国の医療保険制度について意見を交換。13日には西諫早病院を見学し、代表団自らPET/CT検診を受け、日本の最先端医療を体験した。15日には日医会館を表敬訪問し、横倉義武日医会長と面談した。
 また、4月22、23の両日に行われた同国医療会議所第3回総会に牟田幹久常任理事(筆者)が招聘(しょうへい)され、「日本の医療制度」について講演を行うとともに、先方の会員とウォッカを酌み交わし交流を深めてきた。
 カザフスタンは、中央アジアとヨーロッパにまたがる共和制国家である。ユーラシア大陸の中央に位置し、かつてはシルクロードの交易地として東西文化の交わる地点であった。旧ソ連時代の建物もまだたくさん残っているが、町並みはヨーロッパのそれに似ている。カザフ人、ロシア人等の多人種からなる国家であるが、半数以上を占めるカザフ人は日本人と顔貌(がんぼう)が非常に似ている。
 そのためだけではないだろうが、日本に対して非常に友好的であり、治安も良く、講演に行く前には皆から「そんな危ない未開の地に」と驚かされ、自身も少し不安であったが、実際に行ってみると、長崎県にあるハウステンボスに遊びに来ているような感覚を覚えた。

160705g2.jpg 医療はわが国に比べると見劣りする部分はあるかも知れないが、都市部では最先端の医療が行われており、あえて我々が積極的に物質的援助を行わなければならない国ではないと思われた。ただ、彼らの「自国の医療を今以上のより良いものにしたい」との意欲は強く、日本の最先端の医療技術や公的医療保険による国民皆保険に対し、非常に強い興味を持っていた。ドイツには定年となった医師を指導者として派遣する制度があり、この制度で派遣されているドイツ人医師と話す機会を持ったが、この国の良さを語ってくれた。
 今後の計画としては、胎児エコーの講師派遣の依頼を受けている。
 今回の訪問で得た印象を大切に、今後は、同国に対する認識を改めるとともに、先進国として「援助してあげる」「教えてあげる」などの"上から目線"ではなく、同じ顔立ちをした文化の異なる友人同士として、お互いにいろいろなことを学び、教え合い、吸収できるものは吸収して、両国の相互理解と友好並びに医療の発展に尽くしていけたらと考えている。

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