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平成28年(2016年)7月20日(水) / 日医ニュース

「新たな専門医の仕組み」「高額医薬品の保険財政への影響」等に関する質問に理事者側から回答 個人質問

個人質問1 医師資格証の普及及び今後の利活用等について

 猪飼剛代議員(滋賀県)からの「現在の地域連携システムを日医主導の下に改善して欲しい」「ICTの利活用に対する診療報酬上の評価について、日医から分かりやすい解釈を示して欲しい」等の要望には、石川広己常任理事が回答した。
 同常任理事は、「安心して医療情報などを流通させることができる、医療・介護専用のネットワークの構築を国に対して働き掛けており、日医内でも具体的な仕組みを検討し提案していく」と説明。更に、電子認証センターに関しては、その体制強化を図り、技術情報を早急に示すとした他、電子紹介状などの診療報酬の算定についても、各厚生局での解釈に違いが生じないよう、分かりやすい指針を提示していく考えを示した。
 その上で、同常任理事は、この機を逃さず、「医師資格証」の一層の普及に努めるとともに、ITシステムについてもさまざまな情報を医師会のみならず、IT企業にも提示することで、日医主導の下で、より良い医療ITの環境整備を進めていきたいとして、支援と協力を求めた。

個人質問2 学校保健活動に対する支援の強化について

個人質問3 学校医報酬に関して

160720e.jpg 村上美也子代議員(富山県)の①運動器検診が開始されてからの問題点を踏まえ、円滑に実施するための方向性の明示②人と費用の裏付けのあるしっかりとした体制の構築―を求める要望には、道永麻里常任理事が回答。①については、文部科学省が各学校を対象に行っている四肢の状態の検診や成長曲線に関する調査、日医でも実施予定の学校医に対する調査の結果を基に、四肢の状態を含めた健康診断の在り方に関する方向性を示したいと説明。
 また、②については、文科省に対して、現在の「学校保健総合支援事業」の予算の大幅増額と共に、恒久的制度とするよう要望しているとして、理解を求めた。
 檜谷義美代議員(広島県)は、学校産業医に対する評価とともに、学校医報酬の基準となる算出法を提示するよう求めた。同常任理事は、文科省に対して、安易にストレスチェックを学校医に依頼しないよう申し入れるとともに、教育委員会に産業医、保健師などを置き、ストレスチェックを実施するための体制面・予算面での措置を提案した結果、平成28年度からストレスチェックに関する地方財政措置が講じられたことを報告。また、算出法の提示に関しては、「非常勤の地方公務員である学校医の法令上の位置づけ、好事例など、さまざまな情報を整理して、そのあり方について提案したい」と述べた。

個人質問4 新たな専門医の仕組みについて

 松井道宣代議員(京都府)からの「専門医」についての質問には、羽鳥裕常任理事が、本件は医療提供体制に大きな影響を与えかねないものであり、日医としても、極めて注意深く関与してきたと説明。更に、本年2月には横倉会長が記者会見で懸念を示すとともに、6月には日医と四病協で合同緊急記者会見を行い、更に日医と日本医学会の連名で、関係する各学会に対して「一度立ち止まり十分協議して欲しい」旨の文書を発出したことを報告した。
 その上で、同常任理事は、日本専門医機構の社員総会で新たな執行部が発足することから、「今回の要望を率直に議論し、まずは『検討の場』を設置して、プログラムの集中的な精査が早急に行われることになる」とするとともに、プログラムの内容や病院群の設定については、「地域の協議会が重要となるので、地域の医師会も積極的に参画し、医師会の立場から協議会をリードして欲しい」と要請した。

個人質問5 国民皆保険制度を堅持するための決断について

 廣澤信作代議員(埼玉県)からの「国民皆保険制度を堅持するための決断」についての質問には、石川常任理事が回答。高額医薬品が次々に薬価収載される状況については、費用対効果評価等を取り入れ、根拠のある合理的なルールづくりを急ぐ必要があるとの考えを示した。
 国民的議論が必要な時期にきているとの指摘に対しては、日医として薬の効能・効果を踏まえた丁寧な議論が必要であるとして、薬価制度の議論を早急に開始するよう中医協で主張していると説明。高額療養費制度については、日本らしくきめ細やかな制度を維持するため、高額医薬品などへの対応を急ぐ必要があると主張した。
 費用対効果評価については、本年度から既収載品の試行的導入が行われ、再算定が実施されること、新規収載品も本年10月以降に検討を開始することを報告。消費税率10%への引き上げが先送りになったことについては、消費税に代わる社会保障財源を別途確保するよう求めるとした。

個人質問6 25対1医療療養病床及び介護療養病床に関して

 安藤高夫代議員(東京都)からの、25対1医療療養病床と介護療養病床の廃止期限の延長若しくは存続を主張していくか否か、日医の見解を問う質問には、鈴木邦彦常任理事が回答。
 現在の療養病床が担っている重度者の受け皿や看取りの場としての機能を含めた医療・介護サービスが引き続き提供され、地域住民の療養の場を確保することが何より重要であることから、日医は、一貫して現行制度の再延長を第1選択肢として検討すべきと主張していると説明。
 その上で、現行制度の再延長の可否にかかわらず、介護療養病床の適切な移行先となり得る選択肢の拡大は必要であり、「療養病床の在り方等に関する特別部会」で提案されている"新類型"について、できるだけ使いやすいものにすることが重要との認識を示すとともに、現場や患者が混乱しないよう、引き続き、十分な経過措置としての再延長を求めていくとした。

個人質問7 警察活動に協力する医師の部会について

 藤原秀俊代議員(北海道)からの警察活動に協力する医師の部会に関する5つの質問には、松本純一常任理事が回答。
 「都道府県警察等への予算確保状況」については、平成29年度予算においても、警察庁に対して増額を求めていくとするとともに、都道府県医師会からも地元警察本部に対する予算要望を行って欲しいと要請した。
 「死体検案研修会の開催状況」については、「上級研修は例年同様の開催準備を進めており、基礎研修は日医と同等の研修会を都道府県医師会で実施した場合も国の委託費で費用補助ができるよう、協議中である」と説明。「警察庁が行った都道府県警への調査結果」については、各都道府県ごとに対応が異なる実態が明らかとなったとした他、「検視立ち会いに対する謝金と活動中の事故への補償」に関しては、十分な予算確保を要望するとともに、地域差の是正に向けた検討が必要との考えを示した。
 更に、「都道府県の部会設置状況」については、24医師会で設置済みであるとした上で、都道府県医師会に対して、地域の「推進協議会」等を通じた積極的な参画を求めた。

個人質問8 コメディカル職種の免許登録の迅速化を

 堂前洋一郎代議員(新潟県)からのコメディカル職種の免許登録の迅速化を国に働き掛けて欲しいとの要望には、釜萢敏常任理事が回答した。
 医療関係職種の免許の早期登録については、これまでも日医から厚生労働省に対し要望しているとした上で、免許登録が4月以降となる医療関係職種において、未だ保険請求上の制約を受けることに対して、「早急に改善されなければならない」と改めて指摘。
 そのためには、免許登録を3月末日までに完了する取り組みが必要であり、各国家試験の合格者決定には各学校・養成所から提出される卒業証明書をもって受験資格を満たすことを確認していることから、厚労省が今年、各学校・養成所に対して、卒業証明書発行可能日の調査を実施し、早期提出を要請していることを説明。引き続き、試験や合格発表、免許登録の早期実施をより一層進めるよう、厚労省に対し強く働き掛けていくとして、理解を求めた。

個人質問9 中小規模の医療機関の耐震化への補助について

 髙原晶代議員(長崎県)からの中小規模医療機関の耐震化への補助に関する質問には、今村定臣常任理事が、「中小病院や診療所は、地域住民にとって、かかりつけ医機能を担う身近な存在であり、大規模災害が発生した時には、多くの住民が安全、安心を求めて避難する場所にもなる」と強調。
 また、地域医療を担っている医療機関が被災し、他の場所に避難せざるを得なくなった時、入院患者は最大の"災害弱者"となることから、日医では以前より、災害拠点病院や救急医療機関以外の病院、診療所への耐震化支援を行うよう政府に要望するとともに、全国の医療機関の防災対策のための基金創設も求めてきたと説明した。
 その上で、同常任理事は、5月10日の参議院厚生労働委員会において、羽生田俊参議院議員が、民間の医療機関への耐震化支援を求める質問及び事業者負担の軽減についての要望を行っていることを紹介。日医としても中小医療機関の耐震化促進に向けて更に働き掛けを強めていく意向を示し、理解を求めた。

個人質問10 データヘルス時代の質の高い医療の実現に向けた有識者検討会について

 木下成三代議員(徳島県)のデータヘルス時代の質の高い医療の実現に向けた有識者検討会についての質問には、石川常任理事が回答。
 松原副会長が参画している「データヘルス時代の質の高い医療の実現に向けた有識者検討会」での議論は"審査委員"のことではなく、支払基金や国保連のコンピューター・チェックや職員の業務の統一化、効率化のあり方に焦点が当てられており、厚労省においても、全国の審査委員の先生方の果たしている紛争調停機能の重要性は認識しており、ピアレビューの仕組みは堅持すべきと考えていると説明。有識者検討会では、まだ今後の具体的な方向性は示されていないが、審査のあり方については、「患者が最善の医療を受けることができることを中心軸に議論すべきと考えており、そのように強く意見発信していく」とした。
 また、審査支払機関については、「効率化は必要だが、それによって現在の質が高く適正な審査が阻害されることのないよう対応していく」と述べた。

個人質問11 ジェネリック医薬品使用促進政策の検証と医療安全上の問題点について

 長柄均代議員(福岡県)のジェネリック医薬品使用促進政策の検証と医療安全上の問題点についての質問には、鈴木常任理事が、「増え続ける医療費への対応策として、国民皆保険を維持するためにも、ジェネリック医薬品の使用を容認せざるを得ない状況にある」と説明。その一方で、「ジェネリック医薬品の使用による効果については年間約4,000億円との推計値が示されているだけで、具体的かつ詳細に検証されたデータ等は明らかにされていないことから、これまでも中医協を始めとするさまざまな場でデータ等を明らかにするよう国に強く要望している」と述べた。
 医療安全上の問題点については、添加剤や製造工程が先発医薬品と完全には同じでないため、それに伴う品質の差が治療効果に影響を与える可能性は否定できないと指摘。「ジェネリック医薬品品質情報検討会においても、有効性、安全性と品質が先発医薬品と同等であることを国がしっかり確認し、情報提供内容の充実についてきちんと企業を指導するよう求めていく」とした。

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