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平成28年(2016年)9月5日(月) / 日医ニュース

「男女共同参画が医療界にもたらすメリットとそのエビデンス」をテーマに

「男女共同参画が医療界にもたらすメリットとそのエビデンス」をテーマに

「男女共同参画が医療界にもたらすメリットとそのエビデンス」をテーマに

 第12回男女共同参画フォーラムが7月30日、宇都宮市内で開催された。
 福田健栃木県医師会副会長が開会を宣言。あいさつで横倉義武会長は、今期の日医執行部は、3名の女性役員が誕生したことで女性比率が9・4%となり、前期男女共同参画委員会答申の"2020年までに10%にする"との目標に大きく近づいたことを紹介。少子高齢化時代を迎えたわが国では、男女共に働き方が多様化していくと指摘し、「お互い様」の気持ちで多様性を認め、相手を尊重してより良い職場環境をつくることは最終的に自らも働きやすくなることにつながるとした。
 太田照男同県医師会長は、同県医師会が昨年度、女性医師部会を会内に設置したこと等を説明。男女共同参画を成功させるためには、男性医師の意識改革が不可欠であると指摘した。
 来賓の福田富一同県知事は、「"栃木県庁女性活躍推進行動計画"など、県庁が率先垂範して取り組んでいく決意を新たにした」とあいさつした。
 基調講演「輝き続ける組織をつくる~資生堂の男女共同参画への取り組み~」では、前田新造株式会社資生堂相談役が、社員の8割以上、顧客の9割を女性が占め、90年代から女性の活躍推進を促す土壌づくりを進めてきた同社が直面した新たな問題が出産育児期における女性のキャリア形成であり、「働きやすい会社」から「働きがいを追求する会社」へと変革を図っているとして、具体的な事例と今後の課題について説明した。
 報告では、小笠原真澄前日医男女共同参画委員会委員長が、同委員会が実施した具体的な取り組みや平成26・27年度の会長諮問に対する答申等について説明した。
 今村定臣常任理事は、女性医師バンクを始めとする日医女性医師支援センター事業の運営状況を報告し、今年度は女性医師支援センター事業ブロック別会議や学会総会等へのブース出展を含めた広報活動、「女性医師の就労環境等に係る実情把握調査」等を実施予定であるとした。
 特別報告として今村常任理事は、「産婦人科女性医師の現状とその支援~日本産婦人科医会の取り組み~」について説明。
 同医会勤務医部会の調査結果等を示し、分娩を取り扱う病院の勤務医の中で増加したのは妊娠・育児中の女性医師のみであり、常勤先のない医師の年齢分布の中で突出している30代女性医師の離職対策を立てなければ、産科医師を増やしても非効率であると指摘。女性医師支援の到達目標は、一人でも多くの指導的立場の女性医師を育てることであるとした。
 引き続き、シンポジウム「21世紀の男女平等とは何か~社会における男女の互恵関係を築くために~」が行われた。
 (1)「国立大学における男女共同参画の取り組み」(藤井佐知子宇都宮大学理事・副学長)では、国立大学協会でも「2010年までに女性教員比率20%」を掲げて各大学に努力を促しているが、全体では15・4%にとどまっていることを報告。
 女性研究者や指導的立場の女性を増やすには、労働・育児環境の改善と社会全体の意識変革が必要だとし、多様な人材育成、知的創造の拠点である大学がその先導役を果たしていく考えを示した。
 (2)「男性中心型労働慣行の見直しについて」(田中俊之武蔵大学社会学部社会学科助教)では、男性中心型労働慣行等の見直しの観点で長時間労働を是正すべきであり、単なる無関心である"消極的寛容"ではなく、本来的な意味での"積極的寛容"で多様性を認めることが必要だと主張した。
 (3)「女性が自分らしい人生を歩むために~卵子凍結保存という選択肢について~」(香川則子順天堂大学産婦人科学講座協力研究員)では、生殖リミットの鍵である卵子の老化を止める「卵子凍結保存」という選択肢について説明。医原性不妊以外の適応は多岐にわたるとし、浦安市の公費助成による共同研究などを紹介した。
 (4)「日本海総合病院における女性医師就業支援策と今後の課題」(栗谷義樹地方独立行政法人山形県・酒田市病院機構理事長)では、医師確保が困難な地方において、女性医師に多様な働き方を開くために実施している同院の女性医師支援策と今後の課題などについて説明した。
 「総合討論」(コメンテーター:温泉川梅代常任理事)では、シンポジスト4名と会場の参加者とが熱心なディスカッションを行った。
160905j2.jpg その後、フォーラム宣言採択に移り、宮原保之栃木県医師会常任理事、小宮根真弓同県医師会男女共同参画委員会副委員長が、次代を担う県内の男女若手医師2名と共に、女性医師活躍の実現に向けて、両性が互恵関係を築いていくことが急務であり、価値観の多様化、医師に求められる倫理観、医療に関する技術や知識、安全への責務を深く心に刻み、これからも男女共同参画に対して真摯(しんし)に取り組んでいくことを宣言した「第12回男女共同参画フォーラム宣言(案)」を読み上げ(写真左)、満場一致で採択された(下記参照)
 その後、次期担当医師会の柵木充明愛知県医師会長のあいさつに続いて、福田晴美栃木県医師会女性医師部会副部会長が閉会を宣言し、フォーラムは終了となった。参加者は361名。
 なお、次回は、平成29年7月22日に名古屋市内で開催される予定。

第12回男女共同参画フォーラム 宣言
 超高齢社会をむかえ、今、我が国では女性医師の活躍がますます期待されている。その実現に向けては、女性のみならず男性医師も自らの力を十分に発揮し、両性が互恵関係を築いていくことが急務である。
 また、社会全体の価値観はより多様化し、医師に求められる倫理観、医療に関する技術や知識、そして安全への責務はかつてないほど高まっている。
 我々はこれらのことを深く心に刻み、これからも男女共同参画に対して真摯に取り組んでいくことをここに宣言する。
一 ‌女性も男性も、医療人として自らの長所を生かし、欠点を補いあいながら常に成長できる勤務環境を整備する。
一 ‌労働時間の長さのみを評価する時代から、労働の質や効率を評価する時代への意識変革を進め、働き方に反映する。
一 ‌すべてのライフステージにおいて自らに誇りを持てるような社会の仕組み作りを追求する。
平成28年7月30日
日本医師会 第12回男女共同参画フォーラム

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