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平成28年(2016年)10月5日(水) / 各地の医師会から / 日医ニュース

埼玉県総合医局機構について―埼玉県医師会―

 埼玉県医師会と埼玉県では、県内の医師不足を解消するために、医師の確保や地域偏在、診療科偏在の解消に取り組むコントロールタワーとして平成25年12月、埼玉県総合医局機構を共同で発足させた。
 埼玉県の医師数は、平成26年12月31日現在、人口10万人当たり152・8人と全国最下位であるが、医師の絶対数(医療施設従事者数)は1万1058人で、全国9位である。また、平成16年から26年までの医師増加数は、21・3%(全国平均15・7%)で、全国5位となっている。
 問題は医師の地域偏在と診療科偏在による病院勤務医不足であり、その対策としては、長い期間を要する新たな医師の育成、確保ではなく、今ある医療資源の有効活用による即効的な事業が求められる。
 医療崩壊は医師不足によるものであるが、医療の高度専門化、医師の地域偏在と診療科偏在に加え、新医師臨床研修制度の導入が大きな要因と考えられる。臨床研修医は大学病院以外の症例数の多い都市部に集中し、医師の偏在が顕著になった。それと同時に、大学病院では指導医が不足したため、派遣先病院からの医師の引き揚げを始めた。その結果、大学病院では、今まで地域医療を支援してきた医師の派遣能力が極度に低下し、派遣先病院等の欠員を埋めることができなくなったのである。
 従来の医局では、関連病院に恒常的に医師を派遣し、若手医師には診療面でのスキルアップや研究、学会発表、専門資格の取得、在籍中の国内外への留学が可能など、多くの長所があった。
 埼玉県総合医局機構の目指す方向は、これら従来の医局制度の長所を活用した機構づくりで、埼玉県が医師にとって魅力ある県であると認識され、埼玉県で働く医師が集まることである。

埼玉県総合医局機構の主な取り組み

1.医師の確保・派遣
①医学生への奨学金貸与
 埼玉県内や県外の大学医学部に通う医学生に対して、奨学金を貸与している。一定の要件に該当する者は、返還が免除となる。
②臨床研修医・後期研修医への研修資金貸与
 埼玉県内で臨床研修を受ける研修医や後期研修を受ける研修医に研修資金を貸与している。一定の要件に該当する者は、返還が免除となる。
③医師の確保事業(医師無料職業紹介事業)
 埼玉県総合医局機構の医師バンクに登録して頂き、県内の医師不足病院に紹介している。
④ベテラン指導医の紹介事業
 ベテラン医師に総合医局機構に登録して頂き、指導医として県内の病院に紹介している。
2.医師への支援
①医師がローテーションしてキャリア形成できる仕組みの構築
 埼玉県総合医局機構から派遣する医師が、県内のどの地域や病院で勤務してもキャリア形成ができる仕組みを構築している。
②女性医師等の復職支援事業
 埼玉県女性医師支援センターを運営し、女性医師等が産休や育休から復職する際の相談等に対応している。
 また、復職研修や短時間勤務のために代替職員の雇用等を行った病院には、経費等を助成している。
3.その他の事業
①"高校生の志"養成事業の実施
 高校生向けの病院見学や医療体験会を開催し、将来医師を目指す"高校生の志"を養成している。
 ちなみに、埼玉県医師会では、主に、ベテラン指導医の紹介事業と女性医師等の復職支援事業を担当しているが、9月15日現在、ベテラン指導医の紹介事業では求人希望医療機関は50件、求職希望医師は16人で、この内、登録医療機関へ紹介した医師3人、登録医療機関外就職8人、調整中5人である。また、女性医師相談窓口への相談件数は84件(復職相談は24件)で、復職件数は11件である。
 医師不足改善のため地道に活動していく所存である。

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