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平成28年(2016年)11月20日(日) / プレスリリース / 日医ニュース

塩崎厚生労働大臣に東京オリンピック・パラリンピックにおける熱中症等対策について要望書を提出

塩崎厚生労働大臣に東京オリンピック・パラリンピックにおける熱中症等対策について要望書を提出

塩崎厚生労働大臣に東京オリンピック・パラリンピックにおける熱中症等対策について要望書を提出

 横倉義武会長は10月31日、尾﨑治夫東京都医師会長と共に厚生労働省を訪れ、2020年開催の東京オリンピック・パラリンピックにおける熱中症等対策に関して別掲の5項目の実現を求める要望書を、塩崎恭久厚労大臣に直接手渡した。
 会談では、尾﨑都医会長が資料を基に要望書の内容を説明。「東京オリンピック・パラリンピックは、日本体育協会の『熱中症予防のための運動指針』の基準では運動が原則禁止されるような環境で行われることが予想される」と述べ、熱中症対策の重要性を訴えた。
 また、気温だけではなく湿度や周囲の熱環境も取り入れた指標である「暑さ指数」を考慮した対策や、多数の外国人観光客の訪日に対応できるような救急搬送体制の充実等を求めた。
 これに対して、塩崎厚労大臣は、「東京都とも連携し、対応を検討していきたい」と応じた。
 更に、横倉会長と尾﨑都医会長は、屋内等の禁煙対策についても言及。わが国の現状は欧米等先進諸国から大きく遅れをとっているとして、東京オリンピック・パラリンピックに向けた施策の推進を要望した。
 また、横倉会長は、10月22日の世界医師会(WMA)台北総会においてWMA次期会長に選出されたことを報告。塩崎厚労大臣から祝福と激励を受けた。
 なお、横倉会長並びに尾﨑都医会長は、後日、同様の趣旨の要望書を、松野博一文部科学大臣、丸川珠代東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会担当大臣、小池百合子東京都知事らにも提出した。

2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会熱中症等対策に関する要望項目
一、オリンピック・パラリンピック開催期間中の熱中症等の対策には、救急搬送、医療やメディア等のさまざまな分野の関係者が参画し、徹底的に検討を行い、十分かつ確実な体制を構築すること。
一、オリンピック・パラリンピック開催期における熱中症等の対策は、選手・関係者や観客だけではなく、一般の患者も含めた全体的な視点に立って行うこと。
一、オリンピック・パラリンピック関係機関・団体は、東京都医師会始め関係都道府県医師会や郡市区医師会との連携を密にすること。
一、訪日外国人が適切に医療を受けられる環境を整備すること。
一、障害者(児)やその家族等の健康管理に十分配慮すること。
キーワード:暑さ指数
 WBGT:Wet Bulb Globe Temperature(湿球黒球温度)。人体と外気との熱のやり取り(熱収支)に着目した指標。湿度、日射・輻射など周囲の熱環境、気温の3つを取り入れている。

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