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平成28年(2016年)12月20日(火) / 日医ニュース

メインテーマ「2025年問題と勤務医の役割」

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メインテーマ「2025年問題と勤務医の役割」

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 平成28年度(第37回)全国医師会勤務医部会連絡協議会(日医主催、大阪府医師会担当)が11月26日、「2025年問題と勤務医の役割」をメインテーマとして大阪市内で開催された。大阪府医師会が担当するのは、昭和56年度(第2回)以来35年ぶりであり、全国から412名が参加した。
 冒頭のあいさつで横倉義武会長は、2025年を見据え、かかりつけ医を中心とした医療提供体制及び地域包括ケアシステムを、各地域の実情に即した形で構築していくことの重要性を強調する一方、自身が次期世界医師会長に選出されたことに触れ、「全ての医師会員が大同団結する中で、わが国の医療を、ひいては世界の医療をより良い方向に導いていきたい」と述べた。
 続いてあいさつした茂松茂人大阪府医師会長は、2025年問題へ向けた医療に関する課題として、「少子高齢化、医師の地域偏在や勤務環境の改善を含めた地域医療、社会保障などのかつてない領域に直面する」と危惧した上で、医師会の組織力の向上や医師会活動の重要性について述べた。

特別講演Ⅰ「地域包括ケアと病院の関連(あり方)について」

161220n2.jpg 横倉会長は、わが国においては、各地で人口変動が起こり、医療のあり様も変化していくことを踏まえ、「かかりつけ医」を中心として、医療と介護が一体的に提供される体制をつくり、医療機能の分化・連携と地域包括ケアシステムの構築を推進していかなければならないと指摘。
 また、勤務医には、地域の医師、診療所や他の病院等との日頃からの連携が一層求められることになるとして、病院医療と地域の医療・介護連携を進めるためにも、医師会活動に参画してもらいたいとした。

特別講演Ⅱ「地域医療構想について」

 迫井正深厚生労働省保険局医療課長(前医政局地域医療計画課長)は、わが国の人口の高齢化がもたらす社会への影響について説明を行った上で、地域包括ケアシステム及び地域医療構想の基本的な考え方について話をした。
 また、地域医療構想の策定状況と実現に向けたプロセスについて、参考事例等を交えながら説明を行った。

報告

 泉良平勤務医委員会委員長は、平成28年4月に横倉会長に提出した同委員会答申の概要を紹介。「短期的・中期的・長期的取り組み」と「医師会での勤務医活動活性化における勤務医委員会の役割」について提案したことなどを報告した。
 また、平成27年度より日医で臨床研修医の会費無料化が開始されたことを受け、日医が実施した調査結果に基づいて、都道府県医師会や郡市区等医師会での会費無料化の導入状況や、平成26年度と平成27年度の会員数を比較する形で、会費無料化導入後の日医A②(C)とC会員の加入状況などを示した。
 更に、中島康夫大阪府医師会勤務医部会副部会長からは、「大阪府医師会 勤務医部会のこれまでの40年を紐解く」と題する報告があった。

シンポジウム

161220n3.jpg シンポジウムⅠ「医療事故調査制度の動向」では、医療事故調査制度の施行前から検討会の構成員として関わった大磯義一郎浜松医科大学医学部法学教授・弁護士より制度策定から感じた課題などが、マスコミとして客観的視点から同制度の取材を続けている日経メディカル編集部の満武里奈氏からは制度に対するイメージ等の取材結果などがそれぞれ示され、最後に医療安全の面でシステム的に分析するためのプラットフォームの重要性などについて、中島和江大阪大学医学部附属病院中央クオリティマネジメント部教授・部長による講演が行われた。
 シンポジウムⅡ「女性医師の働きやすい環境づくり」では、初めに、上田真喜子大阪府医師会勤務医部会参与/森ノ宮医療大学副学長が大阪府医師会で取り組んでいる女性医師支援事業について紹介。黒川英司箕面市立病院長、齊藤正伸大阪南医療センター院長、玉置淳子大阪医科大学衛生学・公衆衛生学教授、竹中洋幸枚方公済病院救急科部長からは、自治体立・国立・大学の各病院での導入事例や利用状況、更に、実際に子育てを経験している循環器医夫妻の日常などについての講演がそれぞれ行われた。
 両シンポジウムでは、松原謙二副会長、市川朝洋常任理事(シンポジウムⅠ)、今村聡副会長(シンポジウムⅡ)が、それぞれコメンテーターとして総括した後、フロアを交えた活発なディスカッションが行われた。

「おおさか宣言」採択

 最後に、「おおさか宣言」(別掲)が満場一致で採択され、協議会は閉会となった。

おおさか宣言
 高齢化の進展に伴い、2025年以降は国民の医療需要が急激に変動する。国民の医療を守るためには、勤務医とかかりつけ医が連携する地域包括ケアの重要性が強調されており、勤務医とかかりつけ医のスムーズな病診連携、更には医療と介護との連携が課題である。
 国民から信頼される医療を行うためには、医療の質の向上が不可欠であるが、実施後1年が経過した医療事故調査制度は、いまだ医師や国民に制度内容が十分に理解されているとはいえない。また、良質な医療を提供するためには、勤務医の就労環境の改善が必須であり、今後更に増える女性医師への支援が求められる。更に、2018年度から開始が予定される新たな専門医の仕組みでは、医師の偏在が危惧されており、適正な地域医療を確保する観点に配慮した仕組みの構築が急務である。
 このような状況を踏まえ、2025年に向けた医療提供体制の構築にあたり、勤務医が果たすべき役割を担うため、次のとおり宣言する。
一、2025年を見据えた入院医療と在宅医療における切れ目ない病診連携体制を構築する
一、国民に理解される医療事故調査制度とするために、再発防止を目的とした制度の周知徹底を図り、医療安全を確立する
一、勤務医の就労環境を改善し、女性医師への支援体制を更に充実させる
一、地域医療に不都合を生じさせない新たな専門医の仕組みの構築を求める
平成28年11月26日
全国医師会勤務医部会連絡協議会・大阪

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