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平成29年(2017年)2月20日(月) / 日医ニュース

改正道路交通法の施行で何が変わるのか

勤務医のひろば

170220q.jpg 高齢者の交通事故のニュースが、最近目につくようになった。高齢者の事故件数は漸減していることを考えると、報道のあり方を考えてしまう。
 一方、全交通事故に占める割合は増加傾向が続いており、何らかの対策が必要なことも理解はできる。
 平成27年6月に公布された道路交通法が、今年3月12日に施行される。
 75歳以上の高齢者は、免許更新時に認知機能検査を受けている。現在は、その検査で認知症の疑いのある「第1分類」と判定された人の中で、信号無視などの違反があった場合のみ臨時適性検査(医師の診断書)の対象となるが、改正法施行後は、第1分類と判定された全ての人に診断書が必要となる。
 平成27年の統計では、臨時適性検査が約1500件、第1分類が約5万人、単純計算で対象者が30倍以上に増加することになる。
 認知症の診断根拠は何を使用するのか、検査は保険診療か自由診療か、診断した後の事故に責任は問われるのか。この制度には疑問が多くあるが、施行時期は迫ってきている。
 重要なことは、医師は運転の可否の判断ではなく、認知症であるかどうかの判断を行うことであると考える。
 認知症関連6学会が作成した「認知症疾患診療ガイドライン2017(案)」がホームページ上で公開されている。内容を参考に、当院での方針を作成しているところである。
 運転ができなくなった高齢者の移動手段の確保も、大きな課題である。都市部では公共交通網でカバーできる部分があるが、地方部では死活問題である。
 ライドシェアや地域コミュニティー内での相互扶助で移動手段を確保している事例もある。「免許更新を厳しくすれば解決する」という単純なテーマではなく、多角的な対策が必要である。

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