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平成29年(2017年)4月5日(水) / 日医ニュース

臨床検査精度の更なる向上を目指して

臨床検査精度の更なる向上を目指して

臨床検査精度の更なる向上を目指して

 平成28年度臨床検査精度管理調査報告会が3月3日、日医会館大講堂で開催された。
 担当の羽鳥裕常任理事の司会で開会。冒頭、あいさつに立った横倉義武会長(中川俊男副会長代読)は、50回という節目に当たり、日頃の精度管理事業への協力に対し謝意を示すとともに、「日医の精度管理調査の結果では、測定法の進歩だけでなく、施設間の差異が年々縮小している。今後も測定法や機器の違いにかかわらず、同じ結果が出る臨床検査を目指し、本調査を更に進化させていきたい」と述べ、臨床検査の更なる向上に期待を寄せた。
 引き続き、3223施設が参加して行われた第50回臨床検査精度管理調査の報告に移り、(1)臨床化学一般検査(三宅一徳日医臨床検査精度管理検討委員会委員)、(2)臨床化学一般検査(細萱茂実同委員会委員)、(3)臨床化学一般検査・糖代謝・尿検査(菊池春人同委員会委員)、(4)酵素検査(前川真人同委員会副委員長)、(5)脂質検査(高木康同委員会委員長)、(6)腫瘍マーカー(山田俊幸同委員会委員)、(7)甲状腺マーカー・感染症マーカー・リウマトイド因子(〆谷直人同委員会委員)、(8)血液学的検査(小池由佳子同委員会委員、天野景裕同委員会委員)、(9)測定装置利用の動向(金村茂同委員会委員)―についての講評が行われた。
 高木委員長は総括の中で、インターネット回答について、「昨年の82・8%(2650施設)から85・5%(2757施設)に増加したが、インターネット回答では、試薬・機器とメーカーがマッチングしていないと警告が出るので、3%程度増えたことで誤登録が少し減った」と説明。「製造販売元」ではなく「販売元」を誤記入するなど、誤登録があった施設には、文書で注意を促しているとした。
 共用(共通)基準範囲が提唱されていることについては、適切な精度管理を行っている施設のみが適応できるデータであるとして、施設間の互換性のあるデータづくりを求めた。
 その後の総合討論では、参加者からの個別具体的な質問に対して、各委員が回答。CT検査等における造影剤投与の適否判定のため、クレアチニン測定の迅速性を求められることが多く、正確性がおざなりにされているとの指摘に対し高木委員長は、ドライケミストリ法による簡易測定では結果のばらつきが見られることを認めつつ、「人の血清を用いた酵素法との相関が検討されていれば、ドライケミストリ法でも問題ない」との見方を示した。
 また、同委員長は、都道府県の規模においては、個人の生の血清を用いた同一試料での検査が可能であるとし、「メーカー間の差がない成績が期待でき、日医の大規模調査と小中規模の調査を組み合わせるとより良い精度管理調査となる」との私見を述べた。
 最後に羽鳥常任理事が、「項目の見直しや共用基準範囲の更なる拡大など、頂いた宿題を生かしながら、今後も調査を行っていきたい」と結び、報告会は盛会裏に終了となった。参加者は668名。

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