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平成29年(2017年)4月20日(木) / 日医ニュース

インド医師会主催「大気汚染への取り組みに関する国際会議」に出席

インド医師会主催「大気汚染への取り組みに関する国際会議」に出席

インド医師会主催「大気汚染への取り組みに関する国際会議」に出席

 ケタン・デサイ世界医師会(WMA)会長の下、インド医師会主催により3月10日に開催された「大気汚染への取り組みに関する国際会議」に、横倉義武会長が日医会長、WMA次期会長として招待を受け、松原謙二副会長(WMA理事)、道永麻里常任理事(WMA理事、CMAAO事務総長)と共に出席した。
 本国際会議には、インド医師会、各州市医師会他、バングラデシュ医師会、カナダ元上院議員、インド政府、デリー州、ニューデリー市、商工会議所連合、警察、司法、WHO、大学、医師、医学生、専門家等約100名が参加し、WMAアーディス・ホヴェン議長、オトマー・クロイバー事務総長からメッセージが寄せられた。
 WHOなどが注意喚起を行っていることからも明らかなように、インドにおける大気汚染の状況はかなり深刻となっている。K.K.アガラワル・インド医師会長は、会議の冒頭、ニューデリー市内の5スターホテル2階会議室内のPM2.5(微小粒子状物質)の濃度が100を超えていることに触れ、「このような状況を一刻も早く改善しなければならない」として、本国際会議開催の意義を強調した。
 横倉会長はあいさつで、戦後復興の経済成長の過程で日本各地に環境破壊、環境汚染が起こり、健康被害が生じたことを紹介。患者の異変に最初に気づき、公害認定、国の保障という道筋を切り開く端緒にあったのは、地域医師会であり、かかりつけ医であったとした。
 また、PM2.5の越境汚染、国連ミレニアム開発目標(MDGs)、持続可能な開発目標(SDGs)に言及した他、貧困と環境問題に起因する健康被害を説いたサー・マイケル・マーモット前WMA会長の「健康の社会的決定要因(Social Determinants of Health:SDH)」を取り上げ、大気汚染は地球規模の課題であり、国民の健康をあずかる各国の医師会が果たす役割は大きく、この会議の成功がその実践につながることへの期待感を表明。その上で、「大気汚染を克服してきた日本の経験を世界に伝えるという使命感を持って、世界医師会次期会長の任に臨みたい」とした。
 道永常任理事は、「大気汚染から国民の健康を守る日本医師会の取り組み」と題して講演。日本の大気汚染の原因物質の削減と健康被害対策の歴史、地域医師会における公害病認定に係る取り組みの事例紹介、日医が学術専門団体として環境保健施策に対して指導的役割を果たしてきたことなどを紹介した。
 松原副会長は、国民の健康をあずかる各国の医師が大気汚染による健康被害の実態を掌握し、問題解決に各国政府と共に積極的に関わっていくべきとし、各国医師会の連携がより一層重要になってくるとコメントした。
 会議に参加したインドの医師からは、「日本の経験から公害問題は中央における取り組みだけでなく、地域における医師会、医師の活動が重要であることを学んだ」等の発言があった。
 最後に、環境問題を扱う国立グリーン裁判所長官から、大気汚染を含む今後の環境問題への取り組みにおいて、インド医師会の協力を求めるコメントが述べられ、本国際会議は閉会となった。

※写真は左から、道永常任理事、R.N.タンドン・インド医師会事務総長、松原副会長、横倉会長、ケタン・デサイWMA会長、K.K.アガラワル・インド医師会長、アジャマル・ファリファ バングラデシュ医師会副会長、シャ・セス カナダ元上院議員

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