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平成29年(2017年)4月20日(木) / 日医ニュース

個人質問

個人質問1 外来受診時定額負担について

 今眞人代議員(北海道)からの、外来受診時定額負担について、①かかりつけ医の普及を進める方策や外来時の定額負担の在り方への日医の対応②フリーアクセスを阻害する登録医制度へつながらないのか―を問う質問には、松本吉郎常任理事が回答した。
 ①では、日医が記者会見で繰り返し反対し、安倍晋三内閣総理大臣を始め政府・与党に理解を求めたことにより、結論が2017年末まで先送りされたことを紹介。今後も議論は避けられないが、受診抑制につながる受診時定額負担が導入されることのないよう、引き続き政府に対して厳しく働き掛けていくとした。
 ②では、「フリーアクセスはしっかりと守っていく。大病院と中小病院・診療所の外来の機能分化の観点から、選定療養による定額負担について、例えば対象の大病院の要件や負担額の現状を分析した上で更に検討を進め、それにより生じた財源を地域連携の推進や、かかりつけ医の評価などに活用することも一考に値する」と述べた。
 また、併せて受診時定額負担の前に、社会保障の理念に基づき、応能負担の議論を進めていくべきとした。

個人質問2 医師偏在対策について

 大澤英一代議員(奈良県)の医師偏在対策についての日医の考えを問う質問には、釜萢敏常任理事が、国の医師偏在対策の議論の中で、「医師不足地域勤務経験を、保険医登録の条件としてではなく、管理者要件とする案」が出されていることに関して、平成27年12月の日医・全国医学部長病院長会議の合同緊急提言を踏まえて大筋認めていると説明。国がより厳しい規制的手法をとる恐れもあることから、日医は、医師自ら偏在の解消に向けた具体策を提言する必要があるとの認識に立ち、「医師の団体の在り方検討委員会」で議論を深めているところであるとした。
 その上で、医師偏在対策は、長期的展望と一貫性をもって行う必要があると指摘。まずは、厚労省医師需給分科会における議論の再開が最優先されるべきとの考えを示し、日医としては、医師の自発的な意思を尊重し、強制的な仕組みを極力排除しながら、医師偏在が実際に解消する着地点を探っていくとした。

個人質問3 日医の組織強化を図るために

 大塚明廣代議員(徳島県)からの「日本医師会の組織強化を図るために」との質問には、市川朝洋常任理事が回答。まず、「国民皆保険堅持のためには、日医が強固な組織力を維持し続けるべきとの考えに同感である」と述べるとともに、「入会率の増加や会員の健康増進、結束力強化の重要性といった認識から、横倉会長が会務運営の基本方針の一つに組織力強化を掲げ、会内に『医師会組織強化検討委員会』『勤務医の健康支援のための検討委員会』『日本医師会綱領検討委員会』等を設置し、各委員会からの提言を基に、医療に関わる課題の解決や、魅力ある医師会づくりに取り組んできたが、組織力強化に向けたこれまでの方策が不十分との指摘は、真摯(しんし)に受け止めたい」とした。
 その上で、今後については、「医師会組織強化検討委員会」や「医師の団体の在り方検討委員会」などからの提言を基に、都道府県・郡市区等医師会の協力を得ながら、より一層、魅力ある医師会づくりに取り組んでいくとして、引き続きの協力を求めた。

個人質問4 日医かかりつけ医機能研修制度と在宅医リーダー研修、地域包括診療料に関連する研修のあり方に関する内容について

 佐藤家隆代議員(秋田県)は、①各研修に互換性や統一性を持たせる②「かかりつけ医研修手帳」を作成する③e-learningの導入と医師資格証を利用した一括管理システム開発を検討する―ことを要望。鈴木邦彦常任理事は、①の各研修会等は目的別に実施しているが、まだ十分に理解して頂けていない面や違いが分かりづらい部分もあると説明。平成29年度に開催予定の研修会テキスト作成に当たっては、内容の全体的な調整を図っているところで、それぞれの目的を改めて周知していきたいとした。
 ②については、新たに「全国医師会研修管理システム」を導入した経緯を説明。「医師資格証」を用いた出欠管理システムとも連動しており、出欠をオンラインで登録すれば、受講履歴や単位の取得状況の確認、地域包括診療加算並びに地域包括診療料に係る研修実績の証明への活用も可能となるとした。
 ③には、診療報酬の算定方法に係る疑義解釈においてe-learningでは要件を満たさない講義も含まれているため導入は難しく、社会的信頼性確保のために、医師会が座学の研修会の受講管理を厳密に行う点も質の担保を図る一環と考えているとして理解を求めた。

個人質問5 「家庭医構想」の復活につながる「総合診療専門医」に憂慮する

 加納康至代議員(大阪府)からの総合診療専門医が医療費抑制の手段となるのではないかとの懸念には、羽鳥裕常任理事が回答した。
 同常任理事は、まず、日医が診療報酬人頭割り導入やフリーアクセスの制限など、医療費抑制の手段とする「家庭医」の導入に強く反対してきたことを強調。
 総合診療専門医については、基本診療領域に加えるのではなく、内科や外科等の基本診療領域の専門医資格を取得した医師のサブスペシャルティとして位置づけるべきとの意見があることを認識しつつも、「医師不足地域では基本診療領域に総合診療医を位置づけ、当該地域での活躍を期待する声もあるなど、調整が困難な状況である」として、最終的な具体策の提示に猶予を求めた。
 その上で、「専門医の養成は法制化による国の全面的関与を避け、あくまでもプロフェッショナル・オートノミーに基づき実践されるよう、今後とも努力する。総合診療専門医についても、法律に基づく"制度化"や、経済的なインセンティブなどが付与されることがないよう、徹底して対応していく」との姿勢を示した。

個人質問6 遠隔診療について

 川島崇代議員(群馬県)からの遠隔診療についての質問には、松本純一常任理事が回答した。
 同常任理事は、まず、遠隔診療については、対面診療を補完するものでなければ認められないとの考え方が、厚労省の通知(平成9年)で示され、現在も堅持されており、日医も支持していることを説明。
 政府の「未来投資会議」の構造改革徹底推進会合において、遠隔診療が取り扱われた際も、「医療は対面診療が原則であり、遠隔診療はあくまでも対面診療の補完としての位置づけとすることを主張した」と述べ、今後も適切に対応するとした。
 更に、遠隔診療をせざるを得ないケースと、対面診療が可能なケースは、次元の違う話であるとして、中医協では、これらを分けて議論することを主張しているとし、「医師対医師によるICTの導入・活用は、平成28年度診療報酬改定でいくつか導入したとおり、医師の負担軽減や適切な診療の提供に寄与するものであれば進めていくべきだが、医師対患者については、対面診療の原則を堅持するよう今後も働き掛け、安易に遠隔診療に流れていかないよう注視していく」と強調した。

個人質問7 フレイル予防を取り入れた健診体制の確立について

 渡辺象代議員(東京都)からの、フレイル予防を取り入れた健診体制の確立についての質問には、温泉川梅代常任理事が回答。
 同常任理事は、「超高齢社会を迎え、要支援、要介護状態への移行を防ぐためには、フレイル予防への取り組みが重要である」とした上で、わが国の全ての健診制度のあり方を議論する場である厚労省の「健康診査等専門委員会」や、「高齢者の保健事業のあり方検討ワーキンググループ」などにおいて、フレイル予防も含め、ライフステージに応じた体制の確立に向け主張していくとした。
 その上で、「健診制度を含めた保健事業が縦割りで展開されることのないよう、科学的根拠に基づき、真に国民の健康の維持・増進に寄与する施策の推進によって、健康寿命の延伸へつなげていく」とした他、"フレイル"という言葉を国民に周知するための広報も必要との考えを示した。

個人質問8 集団的個別指導・個別指導等について

 松山正春代議員(岡山県)からの集団的個別指導・個別指導等に関する日医の見解を問う質問には、松本(純)常任理事が回答。平成19年に閣議決定された「経済財政改革の基本方針2007」に示された「個別指導年間8,000件」は平成20年から24年の目標とされているにもかかわらず、現在もなお引用されていることについて、「聖域なき構造改革に基づき医療費抑制を狙った『基本方針2007』の考え方が継続されている」として、引き続き、再検討を求めていく考えを示した。
 個別指導等については、高点数による選定は萎縮医療を強いるだけであり、改善に向けさまざまな方策を検討しているとした他、返還目的による指導は厳に慎むべきと主張していることを説明し、理解を求めた。
 また、現行の『指導大綱』については、日医としては法改正ではなく、運用の見直しで是正すべく厚労省当局と協議を行っているとし、「医療現場で問題が発生した場合には、日医まで連絡して欲しい」とした他、医療指導官の定年延長や専門医の取得が可能になるような柔軟な運用についても、申し入れを行っていくとした。

個人質問9 全国規模の医療等ネットワーク整備について

 河野幸治代議員(大分県)からの①全国規模の医療等ネットワーク整備の現状と今後の展望②医師資格証(HPKIカード)や医療等IDに関する現状と今後の展望―について日医の見解を問う質問には、石川広己常任理事が回答。
 ①については、会内の「医療等ID運用に向けた諸課題検討委員会」での議論を踏まえて、総務省では医療等分野におけるデータ共有基盤のあり方に関する実証事業が開始されており、平成30年3月までには、具体的なネットワークの仕組みが構築される予定であるとした。
 ②については、電子的な紹介状を安全にやり取りできる仕組みとして「メドポスト」を考案し、4月よりORCA管理機構からサービス提供を開始すること等を報告。医療等IDは、現在、具体的な運用やシステム構築が進められているとした上で、「現在の医療ICT分野の動きは、日医が具体的な提案を行ったことで実現している。今後も随時ご意見を頂きながら、現場に即した仕組みづくりを目指していきたい」とした。

個人質問10 今こそ、日医は少子化問題に取り組むべき時ではないか

 二井栄代議員(三重県)からの日医が各ステークホルダーの先頭に立ち少子化問題に真正面から立ち向かうべきとの要望に対して、今村定臣常任理事は、まず、成育基本法について、国民への周知や国会議員の先生方との意見交換等を経て、マスコミ、厚労省等にも理解が広がっている現状を説明。「羽生田俊参議院議員が厚生労働委員会委員長に就任したこの機会を逃さず、法案成立に向けて尽力していきたい」とした。
 また、前期の母子保健検討委員会において、「少子化対策に関する政策提言書」を中間答申として取りまとめたことを改めて報告するとともに、日本の少子化対策が人口問題先進国と比べて立ち遅れている現状を憂慮。少子化問題の根本的解決のためには、「子育て支援の充実」「経済・雇用及び男女共同参画」「教育現場への支援」等の向上が必須であるとして、本政策提言書を活用しながら関係各所へ働き掛けていくとするとともに、代議員に対しては成育基本法の早期成立に向け、引き続き、地元の国会議員の先生方への働き掛けを求めた。

個人質問11 バイオシミラーへの対応について

 バイオシミラー(バイオ医薬品の後発品)の使用促進を求める菊岡正和代議員(神奈川県)の質問には、鈴木常任理事が回答した。
 同常任理事は、①バイオシミラーが高額になる要因となっている先発品の薬価の引き下げを求めている②羽生田参議院議員が中心となって昨年11月24日に開催したバイオシミラーに関する自民党の勉強会では、抗体医薬品の製造工場が海外中心となっている状況や、より安価に製造できるよう、製造方法の改善のための研究も必要との指摘があった③一つの先発品に対してバイオシミラーを生産する会社が1社に限られてしまうと、競争原理が働かないため、取引価格が高止まりしてしまう―ことなどを説明。
 今後については、国内での抗体医薬品等のバイオシミラーの製造・流通を促進するよう、関係方面へ強く働き掛けていくとするとともに、後発医薬品の使用促進と同様に、品質・有効性・安全性や安定供給の観点から信頼できるバイオシミラーが製造販売されるよう、引き続き求めていくとした。

個人質問12 准看護師資格について

 志田正典代議員(佐賀県)からの二つの提言(①准看護師資格の価値を高めるために国家資格とする②在宅医療推進の流れの中で、准看護師の資格に応じた看護行為を検討する)には、道永麻里常任理事が回答した。
 ①に関しては、准看護師資格の魅力を高める方法として、入学要件を高卒とすること等を現在、会内の「医療関係者検討委員会」で検討していることを説明。その一方で、国家資格化については、「入学資格を高卒とすることとは分けて考えなければならず、さまざまな影響も考慮しなければならないことから、今後の検討課題とさせて欲しい」と述べ、理解を求めた。
 ②については、准看護師が在宅医療や介護系施設でより重要な役割を担っていくためには、現行の養成カリキュラムの中に「在宅看護論」を加え、その理解も必要との考えを明示。その上で、厚労省において看護基礎教育カリキュラムの見直しに向けた検討会が設置された際には、「養成所の負担を考慮しながら、准看護師が在宅医療や介護との橋渡し的な役割をより担えるようなカリキュラムを検討していきたい」とした。

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