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平成29年(2017年)5月20日(土) / 日医ニュース

遠隔診療やICTの活用はあくまで対面診療の補完的な役割

遠隔診療やICTの活用はあくまで対面診療の補完的な役割

遠隔診療やICTの活用はあくまで対面診療の補完的な役割

 第7回未来投資会議(議長:安倍晋三内閣総理大臣)が4月14日、総理官邸で開催され、横倉義武会長が出席した。
 当日の議題は「新たな医療・介護・予防システムの構築に向けて」であり、「健診データを使った予防・健康づくり」「オンライン診療」「ICT・ロボットを活用した日本型介護」に、それぞれ取り組む3名のプレゼンターによるプレゼンテーションが行われた。
 その他、塩崎恭久厚生労働大臣がデータヘルス改革の全体像を説明。具体的には、「全国の医療機関等が参加し、がんゲノム医療推進コンソーシアムの構築」「重点6領域の保健医療人工知能(AI)の開発加速化」「診療報酬上の評価を行うことで、遠隔診療・介護ロボットの導入の推進」「ビックデータを活用した保険者機能の強化」「必要なデータを新たに収集し、科学的に自立支援等の効果が裏付けられたサービスを国民に提供」等に取り組んでいくとした。
 また、横倉会長と共に日本健康会議の共同代表を務める三村明夫日本商工会議所会頭からは、各社の社員の健康状況や健康関連コスト等を見える化することを目的とした「保険者スコアリングシート」の作成等、同会議の取り組みが報告された。
 横倉会長は、まず、昨年「日医IT化宣言2016」を公表したことなどを紹介し、日医は医療のIT化に消極的ではないことを強調。その上で4つの事項について日医の考えを説明した。
 ①遠隔診療については、診療は患者と直接対面して行うことが原則であり、遠隔診療やICTの活用はあくまで補完的な役割を担うものであると指摘。その一方で、長期処方の問題解決として、かかりつけ医がICTを活用して経過観察や指導を行うことは有効との考えを示した。
 ②医療分野のデータの利活用基盤の構築については、個人情報の厳格な管理を前提として、「医療等ID」によって国民一人ひとりの生涯を通じた保健情報が一元的に管理され、これを基に一次予防から三次予防までの保健事業が安全に管理・実施されることが必要とするとともに、そのことが個々の国民の健康資本を増大させ、経済成長にもつながっていくとした。
 ③医療機器に関しては、大幅な輸入超過により国富が流失していることを憂慮。税制や日本医療研究開発機構(AMED)の補助金等を活用して、イノベーションの推進を促すことが社会保障財源の節約につながると述べた。
 また、④働き方改革については、病気の治療と仕事の両立には産業医の強化とともにかかりつけ医との連携が重要であると主張。保険者による従業員の健康づくりや、経営者による健康経営の際に産業医を積極的に活用することを求めた。
 その後の自由討議では、民間議員から「健康経営を進めるための企業トップの意識改革」「医療等IDの導入に向けた取り組みの推進」を求める意見や「国民の健康データを国が一元的に管理すること」を不安視する考えも示された。
 最後にあいさつした安倍総理は、遠隔診療について対面診療と組み合わせることで、かかりつけ医による継続的な経過観察を効果的に受けられるようになるため、次の診療報酬改定でしっかり評価したいとした。
 また、従業員の健康状態、医療費などのデータを集め、全国の平均値との比較を経営者に知らせる仕組みを構築するよう指示した。

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