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平成29年(2017年)8月5日(土) / 「日医君」だより / プレスリリース / 日医ニュース

日医韓国医療調査団報告書まとまる

日医定例記者会見 7月12日

 鈴木邦彦常任理事は、自らが調査団長を務めた「日医 韓国医療調査団」が、報告書『積極的に海外進出を図る韓国医療―米韓FTAでは民間保険・医薬品の要求を拒否―』(写真下)を取りまとめたことを報告し、その内容を説明した。
 今回の大きな目的は、現在、社会保険診療報酬支払基金の改革モデルとして取り上げられている韓国の審査機関、健康保険審査評価院(HIRA)への訪問であり、平成28年11月2~5日の日程で、松田晋哉産業医科大学医学部公衆衛生学教授、李蓮花静岡大学人文社会学部経済学科准教授と共に、国民健康保険公団、HIRA、保健福祉部、大韓医師協会、延世大学セブランス病院を視察。韓国の医療・介護制度、審査支払制度等について意見交換を行った。
 報告書は、(1)調査の総括、(2)調査団名簿、(3)日程表・概要、(4)報告書、(5)視察、(6)講演―で構成されており、今回訪問した5カ所の施設での視察の様子や、韓国における医療保険分野の第一人者である3名の先生方による講演の内容を掲載。巻末には参考資料として「韓国の医療保険の概略」が添付されている。
日医韓国医療調査団報告書まとまる 同常任理事は、HIRAについて、「視察時には『現在、ほぼAI審査ができるようなレベルにまで達している』との説明を受けたが、その設立・設計に関わり、院長も務めたKIMソウル大学教授からは、『Electronic Review(AI system)は、本当はAIではなく、決まったルールに基づいて自動的にレビューを行うシステムであり、複雑な臨床状況の全てを情報として反映できず、一貫性を維持するのが難しい。同じ状況でも結果がバラバラになるという苦情も多い』といった実情を聞くことができた」と今回の調査の成果を報告した。
 更に、同常任理事は、韓国の混合診療、民間保険、高齢化についても言及。「韓国では混合診療が行われ、医療は大病院中心になっているが、6月末に横倉義武会長等と再訪した際に改めて、超高齢社会への対応について、日本の地域医療構想や地域包括ケアシステムの行方に注目していることを実感した」と説明するとともに、「『日医かかりつけ医機能研修制度』にも関心が高まっていることを強く感じた」と述べた。

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