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平成29年(2017年)8月20日(日) / 日医ニュース

自民党行政改革推進本部で医療保険における審査のあり方について日医の考えを説明

自民党行政改革推進本部で医療保険における審査のあり方について日医の考えを説明

自民党行政改革推進本部で医療保険における審査のあり方について日医の考えを説明

 今村聡副会長、松本純一常任理事は7月20日、自民党行政改革推進本部に招かれ、医療保険における「審査の難しさ、役割・機能」について日医の考えを説明した。
 自民党行政改革推進本部は、厚生労働省に対し現在各都道府県にある社会保険診療報酬支払基金(以下、支払基金)の業務の効率化及び支部を集約化することを求めている。
 当日は、河野太郎本部長及び平将明本部長代理に対し、今村副会長がこれまでの日医の動きを概説し、その後、松本(純)常任理事が主張の詳細を説明した。
 松本(純)常任理事はまず、昨年11月に鈴木邦彦常任理事を調査団長とした「日医 韓国医療調査団」が、コンピュータ審査が一般的な韓国の健康保険審査評価院(HIRA、日本での支払基金に相当)等を視察した結果を報告。
 その中では、HIRAに関して、(1)2014年時点で87%が電算審査のみで審査が終了している、(2)保険給付の水準が低く、混合診療を認めることで医業経営を成り立たせており、オーバーサービス統制のための細かい給付基準が多数設定されている、(3)HIRAの審査は「Electronic Review(AI system)」と説明されているが、現段階ではAIではなく、ルールに基づいて自動的にレビューを行うシステムである、(4)審査に対する訴訟件数が、発足以来16年間で597件(日本の支払基金は創設以来65年間で35件)である、(5)ビッグデータについて、韓国は住民登録番号に基づき個人ごとに10年以上の請求書と健診の資料が一つのファイルとしてあり、健康保険公団がデータ管理している―ことなどを説明した。
 加えて、(1)では当初より、コンピュータ審査を前提に非常に細かい基準をつくり、審査はその基準に合致しているかどうかの単純作業であるため、医師でなくても判断できる、(2)では画一的な審査となり、ルールの境界部分などの医学的判断が考慮されない、(3)では複雑な臨床状況の全てを情報として反映できず、一貫性を維持するのが難しい、(4)では地域の現役医師によるピアレビュー・同僚審査が行われる日本に比べ、韓国は訴訟が起こりやすい、(5)では現状のビッグデータにはノイズが多く改善の余地があり、審査に活用されることはまだ少ない―等の特徴や課題があるとした。
 その後の質疑の中で今村副会長と松本(純)常任理事は、①同じ病名でも患者の年齢、性別、体重、病態等の個別性を踏まえた治療が行われている②臨床現場で行われた医学・医療を保険診療ルールに基づき請求するが、このルールの中に全ての事例の判断が書き込まれてはいないため、審査における医学的判断が尊重されている―という点は、わが国と韓国とで大きく異なることを強調した。
 また、松本(純)常任理事は、「真に国民が納得する審査AIの作成には、気の遠くなるようなシステムづくりが必要」とした上で、AIによる審査結果に対する責任の所在等の問題にも触れ、急激な改革に懸念を示した。
 これらの説明に対し、河野本部長は、「行革本部はあくまで最終形を考えている」と行革本部の考えを説明するとともに、日医の主張に一定の理解を示した。

健康保険審査評価院(HIRA)の審査について
  • 画一的な審査となり、ルールの境界部分などの医学的判断が考慮されない
  • 複雑な臨床状況の全てを情報として反映できず、審査結果に一貫性を維持するのが難しい
  • 地域の現役医師によるピアレビュー・同僚審査が行われる日本に比べ、韓国は訴訟が起こりやすい
  • 審査基準はあらかじめ公開され、医療機関で事前点検できる

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