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平成30年(2018年)2月5日(月) / 南から北から / 日医ニュース

ラン活に思う

 わが家にもラン活の時期がやってきた。ラン活とは「ランドセルを手に入れる活動」である。お子様お孫様のためのラン活を経験済みの先生方も多いと思う。
 さて、ラン活初心者のわが家にはさまざまなカタログが山積みである。百貨店から送られてくるもの、幼稚園でもらってくるもの、等々。どのランドセルも百花繚乱、豪華さに驚くものばかりである。その金額にも目を疑うが。
 そもそもランドセルとは、幕末から軍隊で使用していた布製の背のうが元であり、現在の革製箱形に変わったのが明治20年。大正天皇の学習院御入学祝に伊藤博文が献上したのが始まりだそうである。オランダ語で背のうが"ランセル"であり、そこから"ランドセル"という言葉が生まれたとのことである。
 小学校入学に際して何の疑問もなくランドセルを持つものと思っていたが、歴史と日本独自の文化があることに敬服した。
 しかし悩ましいのはその重さ。売り場で実物を手にすると、重さにへきえきする。最軽量で1キログラム弱、本革製になると1・5キログラム近くのものも。これに教科書や教材を詰めると2~3キログラムにはなる。小柄な1年生には大変な重さである。
 そんな時、タイムリーな新聞記事を目にした。記事は中学生の鞄の重さについてだったが、教科書の重さがゆとり時代の1・5倍、"置き勉"の禁止などで10キログラム近い鞄を持って登下校しているそうである。確かに道行く小学生中学生を見ると、鞄の重みにふらつきながら歩いている子も。小児科医としては子どもの姿勢への影響も気になる。重い鞄を肩で支えるので、肩こりや頭痛の原因になりそう......と、ラン活から鞄の重さにまで思いをはせてみた。
 将来の子ども達のため、ランドセル文化は継承しつつ、更に軽量・丈夫で子ども達に負担が少ないものへ時代に合わせて進化していくことが、小児科医そして一人の母親としての望みである。

福岡県 福岡市医報 No.654より

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