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平成30年(2018年)3月5日(月) / 日医ニュース

町づくり

 近年、いろんな場面で「町づくり」と言う言葉が盛んに使用されている。
 そもそも町とは、古来より交通の要所(便利の良いところ)に物流を中心とした経済活動が生まれ、人が集まり、住まいができ、生活に必要な生業(なりわい)(髪結い、療養所などもその一部)が自然発生的にでき上がって生まれたものと思われる。もちろん、強大な国家権力の下に強引に「都」を造り上げた事例も認められるが、大多数の「町」は前者のパターンで成立してきたものであろう。
 現在、使われている「町づくり」とは、主に現存する町をより住みやすく快適なものに変えていこう(いわゆる、安全安心な町)、という意味に使われているが、町の存続に生活の基盤整備が必要不可欠なことは誰が考えても明らかである。では生活の基盤とは何であろうか?
 老若男女にかかわらず、生活の基礎は何と言っても「衣・食・住」である。生産年齢世代にとっては生きるための生活の糧(仕事)の存在が不可欠であり、高齢者世代には自活に加え生活保障が必要となる。
 また、安心して生活するために、「医」は全世代を通して必須である。更に、高齢者世代になるにつれ、介護も必要となり、障害を持つ人や子育て世代にもそれぞれの支援が必要であり......、どこまでも社会保障の基盤は広がり続ける。
 何を軸に「町づくり」をすべきか?という議論があるが、「衣・食・住」すなわち、まず生活できる基盤整備と「社会保障」という基盤整備のどちらが欠けても「町づくり」は上手(うま)くいかないのである。現在、推し進められている地域包括ケアにおける「町づくり」の視点はどこに定められているのであろうか?

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