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平成30年(2018年)3月5日(月) / 日医ニュース

平成30年度診療報酬改定に関する答申まとまる

平成30年度診療報酬改定に関する答申まとまる

平成30年度診療報酬改定に関する答申まとまる

 中医協総会が2月7日、厚生労働省で開催され、平成30年度診療報酬改定に関する答申がまとまり、田辺国昭中医協会長(東京大学大学院法学政治学研究科教授)から加藤勝信厚労大臣(代理:高木美智代厚労副大臣)に提出された。
 これを受けて日医では、同日、日本歯科医師会、日本薬剤師会及び四病院団体協議会と共に、相次いで記者会見を行い、横倉義武会長が今回の改定に対する日医の考えを説明した。

 当日の総会では、厚労省事務局からこれまでの議論を踏まえて作成された個別改定項目、いわゆる短冊に具体的な点数を盛り込んだ答申案が示され、診療・支払両側がこれを了承。答申書には、「(中略)入院医療機能のより適切な評価指標や測定方法等、医療機能の分化・強化、連携の推進に資する評価の在り方について引き続き検討すること。」等、20項目からなる附帯意見が付けられることになった。
 答申の取りまとめを受けて、診療側を代表して意見を述べた松本純一常任理事は、まず、中医協の議論について、「燃えるような情熱を持って臨んだ」とする一方、「(議論を終えて)今は自分に対し煮えくり返るような感情でいっぱいである」と述べるなど、より充実した議論ができた可能性もあったのではないかという思いを語った。
 また、今後の展望として「地域医療構想の名の下、無理に病床の削減を図らなくとも、人口減などで確実にベッドは減っていく。すなわち、医療費は減少傾向を辿(たど)る」との認識を示した。
 なお、日医では、今回の答申取りまとめを受けて、改定の内容を伝達することを目的とした、都道府県医師会社会保険担当理事連絡協議会を3月5日に開催することにしている(本紙4月5日号で詳報の予定)

三師会合同記者会見

少ない改定財源の中一定の評価ができたと認識―横倉会長

三師会合同記者会見には、横倉会長、堀憲郎日歯会長、山本信夫日薬会長(代理:森昌平同副会長)を始め、中川俊男副会長、中医協委員である、今村聡副会長、松本純一・松本吉郎両常任理事、遠藤秀樹日歯常任理事、安部好弘日薬常務理事が出席した。
 横倉会長は、「国民が生涯にわたり健やかでいきいきと活躍し続ける『人生100年時代』を見据えた社会を実現していくためには、国民皆保険を堅持しつつ、持続可能な社会保障制度の確立が不可欠だ」とした上で、「非常に限られた財源の中、超高齢社会に対応する上での最重要課題である地域包括ケアの推進に向け、継続した改革のためにも必要な財源配分を行うことが重要である。今回改定では、前々回改定、前回改定に引き続き、少ない改定財源の中、それなりの評価ができたと認識している」との見解を示した。
 今回の改定のポイントとしては、(1)外来医療の機能分化とかかりつけ医機能の評価、(2)医療従事者の負担軽減、働き方改革の推進、(3)医療と介護の同時改定、(4)薬価制度の抜本改革、(5)医療技術の適正評価、(6)入院評価体系の見直し―の六つを明示(日医・四病協合同記者会見で詳説)。
 その上で同会長は、今後「骨太の方針2018」について激しい議論が予想される中、財政主導で社会保障費の伸びが過度に抑制されることに警戒感を示し、「来年10月には消費税が10%に増税される。これらのことも含め、日歯、日薬、四病協等と連携しながら、医療界としての方向性を打ち出した上で、しっかりと対応していきたい」とした。

日医・四病協合同記者会見

今回改定の六つのポイントを解説

引き続き行われた日医・四病協合同記者会見には、日医から横倉会長、中川・今村両副会長、松本(純)・松本(吉)両常任理事が、日本病院会から万代恭嗣・島弘志両副会長が、全日本病院協会から猪口雄二会長が、日本医療法人協会から加納繁照会長が、日本精神科病院協会から山崎學会長(代理:長瀬輝諠副会長)が、それぞれ出席した。
 横倉会長は、三師会合同記者会見で挙げた今回改定の医科部分の六つのポイントを解説。(1)では、地域包括診療加算及び診療料について、より一層の推進を図るため、「24時間対応」と「在宅医療の提供」について見直しを行うなど、更なる要件緩和を行った上で、「かかりつけ医機能を有する医療機関の初診の評価を行うことができた」と述べた。
 また、紹介率・逆紹介率の規定を満たさない大病院の長期処方に対する処方料・処方せん料・薬剤料の減算措置の適正化や、紹介状なしで受診した場合の定額負担の対象病院の拡大が行われたことに触れ、「こうした外来機能分化の中で、かかりつけ医機能の普及に向け、今後の改定で更なる評価を求めていく」とした。
 (2)では、業務分担・共同の促進、常勤配置・専従要件の見直し、24時間対応体制の要件緩和など、「医療提供の質の確保に配慮しつつ、より弾力的な運用が可能となるような見直しがなされた」との見解を示した。
 (3)では、平成29年度末で設置期限を迎える介護療養病床の経過措置が6年間延期となり、同時に介護医療院が創設され、平成30年4月から順次転換していけるようになったことについて、「これらに合わせて介護医療院の診療報酬上の取り扱いがその機能に応じて整理されたことは評価できる」と述べた他、地域包括ケアシステムの構築に向けて、きめ細やかな配慮がなされたことも評価した。
 (4)では、国民皆保険の持続性とイノベーションの推進を両立し、国民負担の軽減と医療の質の向上を実現する観点から、「薬価制度の抜本改革を中医協主導で検討し、これまでにない改革が実施されることは評価している」とした。
 (5)では、各学会等からの提案を基に中医協の医療技術評価分科会で検討の上、新規技術及び既収載技術の再評価が行われ、「財源が少ない中、医師の技術が適切に位置づけられたことについて評価している」と述べた。
 (6)では、「都道府県においては地域医療構想を策定し、医療機能ごとの将来需要に応じて限られた医療資源をより効果的・効率的に活用した医療提供体制の構築が進められている」とした上で、将来の医療ニーズの変動・多様化に加え、支え手の急速な減少が見込まれている中、「入院医療の基本的な診療に係る評価と、診療実績に応じた段階的な評価を組み合わせた評価体系に再編・統合する方向となったことは、地域の医療ニーズと資源投入とのバランスをとる上で望ましい」との見解を示した。
 一方、中医協の審議の中で、重症度、医療・看護必要度の患者割合25%以上という要件に対して、残りの患者があたかも退院可能な患者であるかのような誤認があったことについては、不快感を示した。
 また、改定の度に入院基本料の要件が改変され、病院が対応に苦慮する中、「今回の新しい評価体系を各病院がどのように判断するか、従来のようにある程度の時間がかかると思われるが、中長期的な方向性を踏まえた、ある意味歴史的な改定がなされた」と述べた。
 続いて、四病協の各団体から今回の改定に対する考えが示された。
 万代日病副会長は、今回の改定率に一定の評価をした上で、「今回改定の要件の変更の影響を、データに基づき早急に検討していく必要がある」とした。
 猪口全日病会長は、入院医療等の改定について一定の評価を示した一方、「救急医療への評価は大きな課題である」と述べた。
 長瀬日精協副会長は、「精神科の入院医療は正当に評価されていない」とした一方、認知症治療病床の取り扱いには一定の評価をした。
 加納医法協会長は、今回の改定で経営がどうなるのか注視するとした他、「次期改定に向け、救急医療が評価してもらえるように努力していきたい」と述べた。

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