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平成30年(2018年)6月5日(火) / 「日医君」だより / プレスリリース / 日医ニュース

『超高齢社会におけるかかりつけ医のための適正処方の手引き 2.認知症』を作成

定例記者会見 5月16日

 『超高齢社会における かかりつけ医のための適正処方の手引き』については、昨年9月の総論編「1.安全な薬物療法」に続き、今般「2.認知症」を作成したことから、松本純一常任理事がその内容を説明した。
 同常任理事は、「疾患としては一つ目の手引きとなるが、本認知症編においても、総論編と同様に、薬物有害事象を防ぐための処方の考え方を示している」と述べ、特に、高齢者では有害事象を起こしやすいことを念頭に、減らせる場合には減薬できるよう、日本老年医学会の「特に慎重な投与を要する薬物」を引用し、「高齢の患者に認知機能障害を生じやすい薬物」の一覧表を掲載しているとした。
180605e2.jpg 更に、認知症編では、「認知症の薬物療法フローチャート」「病期別の治療薬剤選択のアルゴリズム」「アルツハイマー型認知症治療薬の特徴」「BPSD治療アルゴリズム」「BPSDの治療方針に関するフローチャート」「高齢者の認知症者への薬剤使用の注意点」「認知症の薬物治療のアドヒアランス」等、各ページに図表を取り入れて、どのようなプロセスで処方の見直しを検討したらよいのかが明快に示されていることを紹介。
 また、「認知症の現状と治療総論」では、「認知症は、アルツハイマー型の他にも血管性やレビー小体型があるので、まずは鑑別診断が重要である」とするとともに、「症状緩和には非薬物療法も有用であるので、薬物療法の必要性と併せて検討されることが望ましい」としている他、「鑑別診断だけでなく、BPSD(行動・心理症状)の対応では専門の先生方と、患者のアドヒアランスの向上には他職種との連携が欠かせない」としていると解説した。
 最後に、同常任理事は、「医師自らが率先して処方の適正化に当たることを通じて、いわゆる多剤併用による副作用の発現リスクを減らし、より良い医療を提供すること、ひいては薬剤費・医療費の適正化にもつながることを期待する」とした上で、「かかりつけ医に患者の服薬管理を行う際の参考資料として活用して欲しい」と述べるとともに、日医かかりつけ医機能研修制度の応用研修会においても、本手引きを資料として活用していく意向を示した。

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