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平成30年(2018年)6月5日(火) / 南から北から / 日医ニュース

夏の恒例

 2年前、当医院に勤め始めた年の夏に患者さんから「畑にカブトムシがいるのですが、お子さんは好きですか?」と聞かれ、息子(当時2歳)も「大好きです」と即答したところ、後日、カブトムシが入った飼育ケースを頂いた。
 一見したところ、オスのカブトムシが3匹ほど入っており、思わず「オスだけなんですね」と言ってしまった。しかし、仕事が終わり自宅でケースを開けてびっくり。昆虫マットにもぐっているカブトムシ達が出てくるわ、出てくるわ。オス・メスペア5組の全10匹。翌日、「今朝捕れたから」と、メス3匹が追加され、計13匹に。
 早速、カブトムシ飼育方法等の情報収集を開始した。「狭い空間でオスを2匹以上入れると喧嘩し、殺し合う」との情報から、飼育ケースがたくさん必要となったため、とりあえず手軽な百円均一ショップに行った。
 店に入ってびっくり。カブトムシ飼育関連商品の豊富なこと。昔は、スイカの皮を入れたり、果物を入れたりしたが、腐らせるのがオチであった。また、黒蜜状のものも売っていたが、すぐ乾燥し、あまり使い物にならなかった。今は小さなプラスチック容器に入った高タンパクのカブトムシ・クワガタ用ゼリーがあり、種類が豊富だ。
 昆虫飼育ケース、エサを買い込み、それぞれ振り分けた。大きめのケースには小さめのオス2匹を入れ、止まり木やゼリーを数カ所に分け入れ、小さめのケースにはオス・メスペアで入れた。カブトムシの食欲はものすごく、複数個入れたゼリーも一晩で空っぽになる。玄関に積んであるケースからは夜な夜な羽音やマットに潜る音。夜間脱出を試みるも、家の中からは出られずに翌朝強制送還なんてことも幾度かあり、全てのケースの小窓をガムテープで固定した。
 秋に差し掛かると、動きが鈍くなり、メスは土に潜りがちになり、1匹、1匹と死んでいく。成虫の死んでしまった空の飼育ケースには、気がつくと卵がたくさんあり、既に小さな幼虫になったものもいた。
 「卵から成虫まで育てたい」。子どもの頃はいい加減な飼い方しかせず、できなかったことを大人になってからしてみたかった。
 「幼虫から成虫になるまでに必要な昆虫マットは1匹当たり3リットルである」との情報をインターネットで得た。幼虫がある程度大きくなった後、何匹いるか数えると80匹ほどいた。昆虫マットは物によるが比較的高額で、いかにマットを節約するか研究し、植物好きな妻が本領を発揮。市販昆虫マット+菌糸+園芸用腐葉土をブレンドし使うこととした。
 定期的に土を交換しないとフンだらけになるため、ふるいに掛け、フンとまだ使える土と分け、新しい土を足すという作業を約半年間、何回も行った。フンは肥料として家の植物の根元にまいた。そうしたら庭の瀕死のバラがとても元気になったのには驚いた。
 夏が来て成虫になったのが50匹以上いたので、息子の通う幼稚園の友達に譲った。
 このように夏になるとカブトムシ騒動が起こるのが、わが家の夏の恒例となった。今年は幼虫のうちから幼稚園で配ったので、残った数は少ないが、新しい血統のカブトムシを捕りに行き、より良いカブトムシを育てる予定だ。すっかりブリーダーのようになってしまった3年目の夏が来る。

(一部省略)

滋賀県 滋賀県医師会報 第832号より

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