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平成31年(2019年)2月20日(水) / 各地の医師会から / 日医ニュース

在宅医療トレーニングセンター―神奈川県医師会―

病院勤務医(研修医、若手勤務医等)に向けた在宅医療推進研修会の様子(茅ヶ崎市立病院)

病院勤務医(研修医、若手勤務医等)に向けた在宅医療推進研修会の様子(茅ヶ崎市立病院)

 神奈川県は首都圏に位置し、平成30年現在、人口916・3万人。横浜市、川崎市、相模原市の政令市を含めて18の郡市からなり、みなとみらい、横浜中華街、鎌倉、江ノ島、箱根等の観光資源にも富んでいるため、医師も集まりやすいと考えがちだが、人口10万人当たりの医師数は全国39位である。
 本稿で紹介する在宅医療トレーニングセンター(以下、トレセン)は、地域包括ケアシステムの構築、地域医療構想の実現に向けて、在宅医療を推進していくために、医療従事者、介護従事者などを対象として、神奈川県内の在宅医療を推進する場として、平成27年10月に設置したものである。財源としては、地域医療介護総合確保基金医療区分Ⅱを利用している。
 区分Ⅱ事業とは、多職種連携の強化と医療介護人材の育成である。
 神奈川県医師会、神奈川県訪問看護ステーション協議会、神奈川県地域リハビリテーション三団体協議会、神奈川県ホームヘルプ協会本部、神奈川県介護福祉士会、神奈川県介護支援専門員協会、神奈川県看護協会、神奈川県歯科医師会、神奈川県薬剤師会、神奈川県栄養士会、神奈川県医療ソーシャルワーカー協会、神奈川県健康医療局保健医療部医療課により運営を行っている。
 事業運営の基本理念は、県医師会ならではの独自性、つまり郡市区医師会と同様の事業と競合しないことである。
 運営実績は、実習・座学を合わせて平成29年度は71回実施し、2239名の参加を得ており、平成30年度は100回で3000名を目標としている。
 評判がいいのは実技研修で、「今更訊(き)けないCVポート」「持続注入ポンプを使った在宅における疼痛緩和」「在宅におけるストマと留置カテーテル管理」「喀痰(かくたん)吸引」「シミュレーターを使った採血・静脈注射」「褥瘡(じょくそう)」があり、それぞれ受講希望者が定員オーバーとなり、複数回実施している。
 その他では、「介護ロボット」や「人工呼吸器」の受講希望も多い。
 座学では何といっても「認知症」と「ACP・看取り」であり、グループワークで行っている。
 全国共通の悩みである医師の参加を増やす試みとして、国公立臨床研修病院への「出前研修」を行っている。運営委員全員が参加して出張でロールプレイにて救急、在宅医療の現場や退院前カンファレンスをイメージする。
 対象は若手勤務医・研修医で、テーマとしては回復期リハビリで入院中の大腿骨頸部(だいたいこつけいぶ)骨折術後や、何度も救急搬送されるパーキンソン病の再発性誤嚥(ごえん)性肺炎のケース。委員が病棟主治医、在宅主治医、病棟看護師、ケアマネジャー、メディカルソーシャルワーカー(MSW)、本人、家族に扮して最後にグループ別にディスカッションを行う。
 病院医師・看護師にとって在宅医療の現場、介護保険制度はほぼ未知の世界であり、この取り組みは大好評であった。オファーが多く、うれしい悲鳴である。
 今後、県内4大学(横浜市立大学、東海大学、北里大学、聖マリアンナ医科大学)に広げていきたいと考えている。
 平成30年7月に、東京都医師会が担当した関東甲信越医師会連合会医師会共同利用施設分科会で発表の機会を頂いた際には、好評を得て栃木県医師会から資料請求の依頼を頂いた。
 今後も事業維持に向けて鋭意取り組んでいきたい。

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