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平成31年(2019年)3月20日(水) / 「日医君」だより / プレスリリース / 日医ニュース

「マイナンバーに医療情報を紐(ひも)づける」との報道は誤報として正確な情報発信を強く求める

 石川広己常任理事は2月20日の定例記者会見で、一部メディアにおいてマイナンバーが保険証として代用できるようになるとの報道がなされたことを取り上げ、「この報道には多くの事実誤認があり、誤解を招きかねない」として、正確な情報の発信を強く求めた。

 同常任理事は、まず、今回の報道について、「マイナンバーを用いて保険証の代用ができるという内容になっているが、それは全くの誤報と言わざるを得ない。正しくは、マイナンバーが保険証になるのではなく、マイナンバーカードのICチップを用いて保険の有効性が確認できる仕組みが実現するということである」として、報道の誤りを指摘。更に、医療機関においては、読み取る設備を用意していなければ、患者がマイナンバーカードを持ってきたとしても保険資格を確認することはできず、その場合、当然、窓口ではこれまでのように保険証を提示する必要があると説明した。
 また、「この仕組みを実現するためには、これまで世帯単位になっていた保険証の記号番号を個人単位化することが前提にある」とするとともに、今国会で審議予定の健康保険法の改正案については、「個人単位化された記号番号を用いることで、その個人の健康保険の加入情報や、保険資格が有効かどうかということを、オンラインの設備を導入することによって確認できる仕組みを2021年3月から始められるようにするためのものと考えている」との認識を示した(下図参照)
 加えて、同常任理事は「個人単位化された保険の記号番号を用いて保険の有効性確認を行うシステムをゼロから新たにつくろうとすると、ほぼマイナンバーと同様のシステムが必要となってしまう。そのため、国は、二重投資とならないよう、マイナンバーのインフラを最大限活用した形で、保険の有効性確認システムを構築することになっている」と述べるとともに、「平成27年の国民健康保険法改正により、支払基金と国保中央会は、全保険者からマイナンバーに係る事務処理の業務委託を受けており、そのために構築したシステムを活用することで、副次的にオンライン資格確認が実現できるようになる」と説明。
 その上で、「マイナンバーに医療情報を紐づけることで医療情報の管理ができるというような記事が見られるが、このように、機微性の高い医療情報とマイナンバーがつながるということは協議の俎上(そじょう)にも上っておらず、こうした考えを断じて容認しないという日医の姿勢はこれまでも一貫しており、今後も変わることはない」と強調し、「今回の報道は医療機関だけでなく、国民に対しても混乱を招く恐れがある」として、マスコミに対し、正確な報道を行うよう強く要望した。

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