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平成31年(2019年)4月5日(金) / 南から北から / 日医ニュース

ミルクを溶かすものは......

 ミルクを溶かすものは白湯(さゆ)。普通はそうですよね。さて、普通ではないのに遭遇してしまいました。都会の片隅にある、とある病院救急外来での出来事です。
 9カ月の男児。顔が真っ赤で、息もやや荒い様子。お母さんも心配そうです。初めての発熱かな、と思って問診。「それが実は」と切り出したお母さんの説明によると、「夏休みに夫の実家に遊びに来た。普段からミルク用の水を冷蔵庫に入れている。普段のように帰省先の冷蔵庫に水を入れておいたが、調乳して飲ませてからどうも様子がおかしい。勢いよく飲んだが、あれ?と思って途中でやめた。口からアルコールの臭いがして」。
 「!!」驚きです。どうしてそうなったのかというと、お姑さんが気を遣ってミルクをつくってくれたそうですが、運が悪いというか、何というか、たまたま冷蔵庫には同じ棚に焼酎が入っており、2本が並んでいたそうです。ラベルは剝がしてしまったとか。
 50~100ミリリットル近く飲んだかも知れないとのこと。お母さんは慌てていたので、飲ませたミルクを持ってきていませんでした。
 赤ちゃんはというと、やや心拍が速めでしたが、診察時バイタルは安定、上機嫌です。急性アルコール中毒になりませんように、と祈りながら補液しつつ一晩経過観察入院することに。両親もお姑さんもしきりに心配していました。
 さて、お子さんはというと、こちらの心配をよそに一晩中上機嫌、キャッキャと笑い声が病室内に響いていました。翌朝、担当医に引き継ぐ時にはもうすっかり落ち着き、酔いも覚めていました。血中アルコール濃度は上がっていましたが、酩酊(めいてい)まではいかなかったようです。ほろ酔い赤ちゃん、成長したら酒豪になるかも知れません。大事に至らなくてよかったです。

岩手県 奥州医師会月報 651号より

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