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平成31年(2019年)4月5日(金) / 各地の医師会から / 日医ニュース

"医業承継バンク"を設置―福島県医師会―

 福島県内の診療所数は、2016年時点で1370施設で、2008年と比較すると106施設減少している。医院の閉鎖も新規開業よりも多いペースで進んでいる。
 県内の診療所開設者は約6割が60歳以上で、全国平均の約5割を上回っている。医師の高齢化が更に進み、後継者がいなければ診療所の減少に拍車がかかり、地域によっては医療体制に空白が生じる事態が容易に想像される。
 後継者として近親者を期待できない場合、第三者に診療所を譲ることを考える医師は多いと思われるが、医師やその家族だけで後継者を探すことはかなり難しい。
 福島県医師会としても、本県の医師不足が喫緊の課題となっている中で、県民の健康な暮らしを守るために、地域医療を支えている診療所を承継していく人材の確保を急がなければならないと考えてきたところである。
 こうした状況下で、福島県は今年度、後継者のいない県内の民間診療所と、診療所を引き継ぐ形での開業を希望する県内外の医師を結び付ける「医業承継支援事業」を予算化し、その実施主体として福島県医師会がこれを受託することとなった。
 本年2月4日に福島県医師会事務局内に"医業承継バンク"を設置。その事業内容は、県内の開業医の医業承継の意向調査及び医業承継事業周知のためのセミナーの開催の他、福島県で開業を希望する県内外の医師への医業承継バンクのPR、承継を希望する医師に対する相談や支援、更には希望する医師やその家族を承継視察ツアーに招くことも考えている。
 また、医業承継に係るさまざまな手続きや税の問題等については専門家への対応も依頼している(これらは、無料での対応を予定)。
 地域で活躍していた先生方が、高齢化等の理由で医院を廃業せざるを得ない状況になった時に、地方の自治体はどのように対処するのか調査した結果、新規開業医への支援制度が十分ではないことが分かった。このため、地域医療確保の観点から市町村行政と連携した取り組みも必要であると考えている。
 いずれにしろ、"医業承継バンク"に後継者のいない県内の開業医、そして開業を希望する県内外の医師に登録してもらうことから実際の承継支援事業が始まることになる。そのためにも、県内外の開業を希望する医師に、本システムをいかにPRしていくかが重要であり、難しい問題ではある。希望者数が増えてくればマッチング(恐らくはAIで)を行うことになるが、開業地となるかも知れない自治体の地域医療への考え方、支援制度等がその結果に影響することが容易に想像される。
 どうすれば後継者を探すことができるのか、そしてどうしたらスムーズに事業を引き渡すことができるのか、あるいは引き受けることができるのか。そういった問題を解決してくれる仲介事業者は多くあるが、中には法外な成功報酬を求める業者や、また、承継成立後に問題が発生した時の対処にはっきりとした規定のない業者もある。
 福島県医師会の"医業承継バンク"は利益相反のない事業所であり、安心して医業承継を任せて頂けると考えている。今後は、承継後の円滑な運営に向けて、可能な限りサポートしていけるよう、地域医療の安定・充実化を目指して運営していきたいと考えているので、全国の皆様のご理解とご協力をお願いしたい。

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