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平成31年(2019年)4月20日(土) / 日医ニュース

生活習慣病薬の一般用医薬品化の前例としないことなどを条件に中性脂肪異常改善薬の一般用医薬品への移行を了承

 薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会が4月2日、厚生労働省で開催され、国内初の生活習慣病領域のスイッチOTC薬として承認されて要指導医薬品に分類されている中性脂肪異常改善薬「エパデールT」の一般用医薬品としての適切性について再検討が行われ、了承された。
 了承に当たっては、企業に対して販売ルールの遵守状況について定期的に厚労省へ報告することを求めるとともに、自治体による一斉監視指導の対象として「立入検査」を行うなどの他、参考人として出席した城守国斗常任理事の求めに応じて、「今回の事例は生活習慣病薬のスイッチ化に関する前例としない」などの厳しい条件が付けられることになった。
 また、セルフチェックシートについても、「販売時に用いたセルフチェックシート(電子データを含む)の保管を薬局・店舗に義務付ける」とともに、購入者には「セルフチェックシートへの中性脂肪値の記載を毎回必ず求める」などの対策が取られることになった。
 中性脂肪異常改善薬「エパデールT」の一般用医薬品としての適切性に関しては、3月22日に開催された医薬品等安全対策部会で議論が行われ、調査会に審議を差し戻して、再検討することになっていた。
 同部会の議論の中で、城守常任理事は、(1)本医薬品はスイッチOTC薬化される際に、適切ではないという意見がある中で、強引に承認された経緯がある、(2)また、「セルフチェックシート」を必ず用いることを販売要件としているが、その確認ができていない、(3)生活習慣病は管理が困難であり、まずは運動や食事を改善する必要があるのに対し、薬局で容易に薬が買えることになれば、患者がこれさえ飲んでいれば大丈夫と勘違いする危険性がある―こと等を挙げ、「このまま自動的に一般用医薬品に移行するのは反対である」と強く主張。
 更に、定められた販売方法が守られていない以上、要指導医薬品として不適切ではないかと指摘するとともに、「狭い意味での副作用のみを見て、その他のリスクに対処できないまま一定期間を経過すると一般用医薬品に移行するという今の制度は非常に問題があり、制度自体を見直す必要がある」と指摘していた。

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