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令和元年(2019年)7月20日(土) / 日医ニュース

ゲーム障害

 電車の中では、多くの人がスマートフォンを操作している。目的はメール、ゲーム、検索など、さまざまである。かく言う私も例外ではなく、電車内は暇なこともあり、満員で無ければ、ゲームはしないがニュース、天気予報、メールなど、結構利用している。中には両手の指を巧みに動かしてゲームをしている人がいる。
 スマートフォンでゲームができるようになってからは、昔のようにゲーム機器を持たなくても、簡単にゲームにアクセスできるようになった。その結果、若い世代を中心としたゲーム依存、ネット依存が社会問題になっている。
 そのような中、5月25日、WHO総会は「ゲーム障害」をアルコールやギャンブルなどの依存症と並んで、治療が必要な疾病として承認した。WHOの推計では、ゲームをしている人の2~3%が「ゲーム障害」とみられている。
 依存症は、長らく本人の問題とされてきたが、最近は疾病としての位置づけで、懲罰よりも早期介入、早期治療、支援が重要との認識で一致している。今後、ゲーム依存が「ゲーム障害」という疾病としての診断基準が示されることにより、診断例が増えて、治療や予防法の確立につながることが期待されている。
 国内では、ようやく実態調査が始まったばかりである。「ゲーム障害」の多くは中高生とみられ、本人や社会の多大な損失を考えれば、潜在的な患者への対策も含めて、有効な予防・治療法の確立が急がれる。

(榮)

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