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令和元年(2019年)10月20日(日) / 日医ニュース

地域医療提供体制の堅持のために

地域医療提供体制の堅持のために

地域医療提供体制の堅持のために

 都道府県医師会担当理事連絡協議会を兼ねた「医業の第三者承継フォーラム」が9月26日、日医会館大講堂で開催された。
 小玉弘之常任理事の司会で開会。冒頭のあいさつで横倉義武会長(今村聡副会長代読)は、「地域医療を守る基盤である医療機関を、いかに世代を超えて維持していくかが喫緊の課題である」と指摘。今回初めて開催する本フォーラムについては、「国の施策、都道府県医師会において行われている医業承継の取り組みや諸課題について情報共有を図ることで、地域の医療提供体制の堅持と活力ある医師会の維持に役立てて欲しい」と述べ、その成果に期待を寄せた。

国、都道府県医師会の取り組み

 樋口浩久厚生労働省医政局医療経営支援課長は「医療機関における第三者承継について」と題して、中小企業・小規模事業者の再編・統合等に係る税負担の軽減措置と、令和2年度の税制改正要望として挙げている医師少数区域等における医療法人の承継税制の内容について報告した。
 続いて、日医の医業承継モデル事業として始めた第三者承継トライアル事業に関しては、島田薫秋田県医師会常任理事とエムスリー株式会社から実施状況及び課題等についてそれぞれ報告がなされた。
 次に、医業承継に向けた取り組みを実施している医師会の中から、(1)東京都、(2)岡山県、(3)福島県―の各医師会より、それぞれ発表が行われた。
 (1)では、蓮沼剛東京都医理事から「東京都医師会医業継承支援状況」として、平成16年から始めた診療所開業支援事業や平成30年から2回実施した医業継承セミナーの概要と結果が、(2)では、神﨑寛子岡山県医専務理事から「岡山県医師会医院継承バンク事業」として、その事業内容と登録状況等が、(3)では、石塚尋朗福島県医常任理事から「地域における医業承継の現実~福島県医師会における医業承継支援事業の取組みについて~」として、事業の背景と実施状況、県内の診療所開設者を対象としたアンケート調査とその後の追加調査及び県内の全市町村における医師確保等に関する調査結果等が報告された。
 続いて、指定発言に立った宝住与一元日医副会長/元栃木県医会長は、自身が閉院した際に地域医療へ影響があったこと等に触れ、周囲の医師仲間からの要望もあり、医師会に相談窓口が必要であると感じ、横倉会長へ申し入れをしたことで、今般、発言の機会を得たと説明。「現在、後期高齢者として患者側の立場となり、身近に医療機関がないことの不便さを実感している」とするとともに、医師偏在への対応やへき地への医師派遣に対する医師会の関与に関して自身の考えを説明した。

日医総研研究発表並びに税理士・行政書士の立場から見た医業承継上の諸問題

 その後はまず、堤信之日本医師会総合政策研究機構主任研究員が、「医業承継の現状と課題の整理」として、文献調査、統計データ分析、医業承継案件に関わる税理士等へのインタビュー調査に基づく考察と対処法について報告するとともに、年度内には診療所向けの手引書を作成する予定であるとした。
 また、今夏に実施した都道府県医師会・郡市区医師会及び医療機関の開設者に対する調査結果についても、現在分析中であるとした上で、その一部を報告した。
 引き続き、青木惠一税理士法人青木会計代表社員・税理士 行政書士/日医有床診療所委員会委員からは、「医業承継上の諸問題について」と題して、個人立と医療法人立、それぞれの医療機関における第三者承継の際の税制面を含めた手続き等について説明がなされた。
 質疑応答では、各医師会の取組報告や研究発表等を踏まえ、医師会の医業承継事業の関わり方、全国でのマッチングシステムやアウトソーシング等の諸問題について協議が行われた。
 最後に、今村副会長より、「医業承継は個人の経営の問題ではあるが、会員支援や地域医療を守ることは、まさに医師会の大きな課題である。地域の実情を踏まえ、本日頂いた日医への要望を含め、課題解決に向けて取り組んでいくので、引き続きの支援と協力をお願いしたい」と総括し、フォーラムは終了となった。参加者はテレビ会議システムでの視聴を含め122名。

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