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令和元年(2019年)11月20日(水) / 日医ニュース

いつまで働けばいいのですか

 定年後旅行などをしてのんびりできるはずの老世代が、若い世代がアルバイトするような飲食店のサービススタッフとして働いている光景を見て、外国から来た観光客の誰もが驚く。
 今の日本は、少子高齢化と人口減少という深刻な問題を抱えている。国は解決策として、高齢者の就業の積極的促進、60歳以上の再雇用制度や定年延長への取り組みを始めた。今後、全世代型社会保障と銘打って、70歳までの就業機会の確保や、年金受給開始年齢を70歳以上まで広げる方針の予定である。
 粛々と進められている社会保障改革の実情は、社会保障の縮小・削減や負担増加であり、亡くなるまで働かなければ普通の生活ができない不安が人々に募っている。
 一方で働き方改革の号令の下、勤務時間短縮が至上命令となっている。しかし、長時間労働の規制によって必ずしも仕事の量やストレスから解放されるとは限らない。時間ができたとしても、精神的・経済的余裕がないと人生を楽しむ気持ちにならない。
 日本の年金制度は、既に破綻状態である。この状況で全世代型社会保障が実現すると、更に個人の保険料負担は増え、年金受給額は減り、人生100年時代のスローガンは名ばかりとなる。人生の目的は、死ぬまで働いて2000万円を貯めることなのだろうか。
 60歳前にセミリタイアして、日本とカナダやオセアニアで暮らし、ゴルフや釣りを楽しんだ放送作家であり、ジャズ評論家でもあるテレビ番組司会者が昭和の良き時代にいた。その当時、人々は「もしかしたら自分も」と憧れたが、今の日本ではそのような生活や人生は夢物語にさえならない。定年後も再雇用制度で働いていたり、生きていくために第二の職場を必死に探す人が多くなった。

(文)

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