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令和元年(2019年)12月5日(木) / 「日医君」だより / 日医ニュース

加藤厚労大臣に災害対策など3点に関する要望書を提出

 横倉義武会長は11月18日、小玉弘之・石川広己・釜萢敏各常任理事と共に厚生労働省を訪れ、(1)災害対策、(2)地域医療介護総合確保基金の柔軟な運用、(3)抗生物質の安定供給に関する要望書(全文は日医ホームページに掲載)を、加藤勝信厚労大臣に直接手渡し、理解と協力を求めた。
 (1)について、石川常任理事は、本年の台風15号及び19号等の被害状況を踏まえ、「災害に対する新たな対応方法を考えなければ、国民を守ることはできない」と指摘。その上で、「各種補助金を柔軟に活用できるようにすること」「災害時診療概況報告システム(J―SPEED)の整備に対する援助」「他地域へ避難した入院患者を、復旧した避難元病院へ再移送した場合に係る諸費用に災害救助法を適用すること」などを要望するとともに、補助に当たっては、公私による差を付けないようにすることを求めた。
 (2)に関しては、小玉常任理事が①医療分について、事業区分間の融通を認める②都道府県の負担軽減を認める③地域における情報連携ネットワークの持続的で安定した発展を支援する④基金創設前から存在している事業の予算を十分に確保する⑤地域医療構想調整会議の専門部会等の開催経費を対象に含める⑥都道府県が、地域の実情を的確に反映し、また事業計画を適切に立案できるよう、厚労省より積極的に指導、支援を行う―ことなど、6点を要望した。
 また、(3)については、釜萢常任理事が原料の問題で供給ができなくなったセファゾリンなどを例に、「この問題は、国の安全保障にもつながる重大な問題だ」と強調。医薬品の品質確保と安全供給のためにも、①原産国等の情報開示②国内自給の促進③後発医薬品等の安定供給―をお願いしたいと述べた。
 これらの要望に対し、加藤厚労大臣は、(1)について、「被災地の復旧復興は急いで取り組まなければならない問題であり、今回の要望を踏まえてしっかり対応していきたい。公私の格差にも問題意識をもっている」と述べ、一定の理解を示した他、「医療機関でも自家発電の設備を備える等の対応をお願いしたい」と要望。(2)については、「今後の状況も見ながらできる限りの対応をしたい」とするとともに、地域医療構想の推進に改めて協力を求めた。
 また、(3)に対しては、「ご指摘はごもっともだ」とした上で、「日本医師会等の協力も得ながら、原料の段階から医薬品として使用者に届くまでの全プロセスを把握できるような仕組みをつくっていきたい」と述べた。

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