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令和2年(2020年)1月20日(月) / 日医ニュース

メインテーマ「勤務医の働き方を考える」 山形県医師会勤務医交流会

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メインテーマ「勤務医の働き方を考える」 山形県医師会勤務医交流会

メインテーマ「勤務医の働き方を考える」 山形県医師会勤務医交流会

 令和元年度(第40回)全国医師会勤務医部会連絡協議会(日医主催、山形県医師会担当)が開催された翌日の10月27日、山形県医師会勤務医交流会が山形市内のホテルで開催され、90名が参加した。
 参加者は医学部4年生から1964年卒の勤務医まで幅広い年齢層であり、北海道から九州まで全国から来県された。
 交流会は、午前9時に開会。冒頭、今村聡副会長と中目千之山形県医師会長からのあいさつがあり、次いで行われた意見交換では、東邦大学医学部社会医学講座平田幸輝先生に統括ファシリテーターを務めて頂くとともに、1グループ7、8名で6グループに分かれ、各テーブルにファシリテーターを配置するワールドカフェ方式を採用した。
 参加者は一つのテーマにつき20分間意見交換を行った後、次のテーマのテーブルに移動。オブザーバーの先生にも参加して頂く中で、用意された三つのテーマについてグループごとにまとめられた意見を、以下のように集約したので、報告する。

テーマ1 専門医取得後のサブスペシャルティ専門医取得や学位取得

 専門医制度整備指針(日本専門医機構)では、内科や外科等の基本診療領域の専門医について、各領域において国民に標準的で適切な診断・治療を提供できる医師としており、サブスペシャルティ領域専門医は、原則として基本診療領域専門医取得後、更に専門性を高めるため研修を重ねることになる。
 このテーマについては、「2年間の臨床研修と3年間の基本診療領域専門研修を終え、更に3年以上のサブスペシャルティ専門研修となると、事実上若い医師達が都市部に集中せざるを得なくなる」「臨床研修義務化以降の傾向ではあるが、大学医局への入局者が減少していることが問題となっている。加えて、近年の専門医志向の高まりは、学位(博士号、以下同)取得への意欲低下とも関連しているかも知れない」「若い医師達はサブスペシャルティも含め専門医取得を優先するという意見が多く、学位は不要」という意見もあった。一方、年配の医師達は、「学位は取得しておいた方がいい」という意見であった。また、「学位を取得するまでの過程が重要である」との意見もあった。
 全体的には、地域医療や専門医制度には課題があるものの、医師としては専門医取得が必須であり、学位はできれば取得しておいた方がいいとの意見だった。
 城守国斗常任理事からは、「今後、学位を持つことの将来的な有用性について明確にしていきたい」とのコメントがあった。
 今村副会長からは、厚生労働省の医道審議会(医師分科会医師専門研修部会)を経由して、都道府県知事から地域医療に関する意見が日本専門医機構に出されるため、日本専門医機構だけでは制度を決められないことの説明や、「医師の偏在などに影響が出ないよう、標準的な医療を行った上で、専門性を明確にすることが大事である」とのコメントがあった。

テーマ2 現在勤務中の病院で勤務医をいつまで続けたいか

 本テーマでは、主に定年に近い世代になった時を想定した意見交換となった。病院の所在地が都会にある場合には、勤務医を辞めて出身地に戻る、あるいは開業するなど、自分自身で定年後のあり方を考える傾向の意見が出された。
 一方、地方では、「定年後も同じ病院から勤務継続の要請があったり、近隣の病院からの勧誘があったりするのではないか」との意見が出された。
 また、「年次の上昇とともに病病連携や病診連携強化の接着剤としての役割や、院内での各科連携、各職種との連携を担う、いわゆる"ニカワ"のような役割を果たすようになるのではないか」というユニークな意見があった他、医師の認知症対策に係る検討も必要との意見も出された。

テーマ3 時間外勤務上限 年1860時間をどう考えるか

 医師の働き方改革に伴う時間外労働の上限規制により、大学から外来や当直の応援を受けている地方の病院では、派遣切りが行われることで勤務間インターバルや交代制勤務のための医師の確保が困難になるのではないかと危惧する声や、医師が不足している地方の病院は統合も必要ではないかという意見が出された。
 また、どこの医療機関が「地域医療確保暫定特例水準」の適用を受けるかの周知徹底を求める要望や、そもそも研修医や専攻医の研鑽のための時間は、時間外勤務に当たらないのではないかとの意見が出された。
 城守常任理事は、時間外勤務の上限規制は、医師の健康確保が第一義で始まった議論である一方、2024年からは、定められた時間外勤務の上限を超えると医療機関の管理者が罰則を受けることに触れた上で、日医としては、現場の先生方の医療提供に支障を来さないように、今後、制度の詳細を詰めていきたいとした。

総括

 最後に城守常任理事が、「本日の各テーマはまだ結論が出ているわけではなく、医療現場にどのような形で調整して適応するかについて、国と議論していく必要がある。勤務医の先生方の現場からの意見を踏まえながら、国が現場と異なる感覚で制度設計しないように働き掛けたい」と総括し、山形県医師会勤務医交流会は閉会となった。

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