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令和2年(2020年)1月20日(月) / 日医ニュース

「風雨震雷(しんらい)は天地の御政事(ごせいじ)」

 毎年、大きな自然災害に見舞われ、私も熊本地震が起きた際にJMATで参加しましたが、災害医療の重要性が増しています。
 台風や地震、津波などの自然災害は、その被害の恐ろしさを忘れた頃に再び起こるもの。だから、天災には普段から油断せずに用心して備えておかなければならないという戒めに「天災は忘れた頃にやってくる」という、物理学者・随筆家の寺田寅彦の言葉があります。彼は「歴史は繰り返す。法則は不変である。それ故に過去の記録はまた将来の予防となる科学の価値と同じく文学の価値もまたこの記録の再現性にかかっている事は言うまでもない」と書いています。
 「風雨震雷は天地の御政事」大風、大雨、洪水、地震、雷などの天変地異は、天地のなすところで人の力で止めることはできない。
 「政事」は政治、政(まつりごと)のことで、天変地異は天の神と土地の神の政によってもたらされるもの、つまり人では止めることが到底できません。
 しかし現在は、ある程度その発生を予測することができるようになり、被害を軽減する取り組みもなされていますが、近年は発生頻度が以前より増し、毎年被害も大きくなってきているように思います。
 "忘れた頃にくる"のではなく、"毎年のようにくる"災害に、しっかり対応できる体制が重要ですが、今年は災害のない良い年になることを願います。

(禿)

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