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令和2年(2020年)3月5日(木) / 「日医君」だより / プレスリリース

新型コロナウイルス感染症に関する日医の対応について

 横倉義武会長は3月4日の定例記者会見で、感染が拡大している新型コロナウイルス感染症に関する日医の対応について、先週に引き続き説明。2月27日に安倍晋三内閣総理大臣と会談したことを明らかにした。

 会談の中では、新型コロナウイルス感染症の拡大防止には、国民・医療関係者が一体となって取り組んでいくべきであることを踏まえ、感染の集団発生の連鎖拡大を抑えるために、国において3月を「新型コロナウイルス感染拡大防止強化月間」に位置付けることを求めた他、(1)患者クラスターや地域の流行状況に応じ、学校医と相談のうえ、地域における学校の臨時休業や春休みの弾力的な設定、(2)医療現場におけるマスク、手袋、防護具、消毒薬等を含めた医療資機材の確保と迅速な配備、(3)医師の判断によるPCR検査を確実に実施する体制の強化、(4)診断キット、治療薬、ワクチンの早期開発への最大限の尽力、(5)感染症危機管理体制の強化、並びに健康医療情報を学術的な見地から国民に発信し情報共有ができる「いわゆる日本版CDC」の創設―の5項目からなる要望書を直接手交したと説明した。

 その上で、(1)については、自身が日本学校保健会会長を務め、前期まで中央教育審議会委員であったため、学校医の立場から子ども達の健康・安全を第一に考え、感染リスクに備える観点も含めた要望であるとするとともに、国民全体で危機意識を共有し、国難を乗り越えていくことが重要であるとの考えを示した。

(2)に関しては、PCR検査を行う際、新型コロナウイルスの検体採取は高いリスクを伴い、感染防護体制が必要とされるが、患者が入院する医療機関でもマスクや消毒薬等が不足している現状を危惧した要望であると説明した。

(3)のPCR検査については、不適切事例について都道府県医師会から情報収集しているところであることを改めて説明。今後、PCR検査が公的医療保険の適用となり、医師の判断で検査ができるようになれば、民間検査機関がPCR検査機器等の設備投資や人員配置増を行うことにより、検査体制のキャパシティも徐々に増加が見込まれ、不適切事例は解消してくるとの見解を示した。

(4)に関しては、インフルエンザのような迅速診断キットが早く臨床現場で活用できることが望まれるとするとともに、抗HIV薬であるロピナビル・リトナビル、新型インフルエンザ治療薬のファビピラビル、吸入ステロイド喘息治療剤であるシクレソニド等の医薬品名を挙げ、有効な治療薬のエビデンスが整い、早く患者さんに安全に使用できるようになることに期待を寄せた。

 また、(5)については、2013年4月にも、日医と日本医学会との連名で厚生労働大臣宛てに「いわゆる日本版CDC」の創設を要望していることを紹介。安倍総理大臣や武見敬三参議院議員も触れているが、新しく組織をつくるのではなく、国民により有益な健康情報を提供していくために、あくまでも既存の組織を活用して感染症の危機管理体制としての機能が必要であるとの考えを明示。具体的には、既存の組織である首相官邸の健康・医療戦略推進本部、国立感染症研究所、国立国際医療研究センターが中心となり、これに日本医療研究開発機構と国立保健医療科学院も加え、首相官邸や厚生労働省とも連携していく機能が考えられるとした。

 更に、横倉会長は、2月27日に安倍総理大臣が全国の小中学校と高校等を臨時休業するよう要請したことを受け、翌28日に急きょ、萩生田光一文部科学大臣、加藤勝信厚生労働大臣に直接、「全国の小中学校等の臨時休業に伴う医療従事者確保に関する要望書」を手交したことを報告。全国の医療機関において、子どもをもつ医師、看護師、事務職を始めとした医療従事者の確保が困難となり、新型コロナウイルス感染症対策はもとより、通常の医療提供体制に混乱が生じる事態が懸念されることから、医療従事者が子ども達を安心して預けられる体制の構築の推進、財政支援等の早急な対応を求めたことを明らかにした。

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 釜萢常任理事は3月4日、記者会見を行い、感染が拡大している新型コロナウイルス感染症に関する直近の日医の対応を説明し、国民への理解を求めた。

 同常任理事は、前回の記者会見で明らかにした医師がPCR検査を必要と判断したにもかかわらず検査に結びつかなかった、あるいは不適切とされる事例について、都道府県医師会を通じて情報収集していることに関して、3月3日午前10時時点で7道県30件の情報があることを明らかにした。全国から事例が上がっているものではないと断わった上で、検査に至らない理由としては、"まだ重症ではないから""濃厚接触者の判断ができないから"等が挙げられていることを報告。「あくまで推測であるがそれぞれの地域において検査体制に差があったのではないか」とするとともに、「今後、公的医療保険が適用されることもあり、状況は変わるのではないか」との見解を示した。

 更に、同常任理事は、PCR検査について1.新型コロナウイルスの遺伝子の有無を調べる検査である2.陽性であれば感染の可能性が高いが、陰性であっても感染しているかどうか判断できないため、不安に感じ全例検査することは意味のないことである3.検査の目的は重症化しそうな方に、しっかり集中治療を行う事例をなるべく早く検出することが目的である―ことを改めて説明。「検体採取には感染の危険があり、感染防護に必要なN95マスク等の資材が必要であるが、その資材が不足している」として、改めて検査の適正な運用を求めるとともに、検査が保険適用された際には、都道府県医師会に対しても通知を出し、注意を呼び掛ける意向を示した。

 その他、同常任理事は、2月17日付けの国の通知で示された「新型コロナウイルス感染症についての相談・受診の目安」について、風邪の症状等を4日間がまんしなくてはならないといった誤解が生じていることに懸念を示し、いつもと違う症状であれば4日経過しなくても、積極的に相談して欲しいと呼び掛けた。

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問い合わせ先

日本医師会総合医療政策課、健康医療第2課 TEL:03-3946-2121(代)

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