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令和2年(2020年)4月24日(金) / 「日医君」だより / プレスリリース

新型コロナウイルス感染症に関する日医の対応について(6)

 松本吉郎常任理事は、4月22日の定例記者会見で新型コロナウイルス感染症に関する診療報酬上の対応について説明した。

 4月17日夕方に行われた安倍晋三内閣総理大臣の記者会見において、「(中略)診療報酬を倍増するなど処遇の改善にもしっかり取り組んでまいります」等、診療報酬上の対応に触れられたことを受け、同日に中医協が持ち回り開催され、中等症あるいは重症の同感染症患者の受入れに関する特例的な対応が検討され、了承された。

 同常任理事はまず、当日の議論で了承された特例的対応のポイントとして、(1)重症の同感染症患者の治療に係る評価として、特定集中治療室管理料等を算定する病棟に入院して、人工呼吸器やECMOによる管理等を要する患者については、入院料の評価を2倍に引き上げるとともに、算定期間も拡大した、(2)中等症以上の患者(酸素療法が必要な患者を想定)の重症化を防ぐための管理として、救急医療管理加算1の2倍相当の点数を算定できるようにするとともに、他の患者や医療従事者の感染リスクを防ぐための管理の評価として、二類感染症患者入院診療加算に相当する加算を、人員配置に応じて算定できるようにした、(3)同感染症患者の受入体制を整える際に必要な手続きへの柔軟な対応として、例えば、7対1の一般病棟において、同感染症患者を受け入れるために、2対1の特定集中治療室管理料や、4対1あるいは5対1のハイケアユニット入院医療管理料と同等の看護配置体制とした場合、通常は実績を積み上げ厚生局に届出・受理する流れがあるが、簡易な報告をすることで、特定集中治療室管理料やハイケアユニット入院医療管理料等の点数を算定すること等が可能とした―ことを挙げた。

 その上で、同常任理事は(1)について、採決の際に「ECMOを実施する場合、1人の患者さんに対して、2名以上の看護師等の医療従事者が張り付くような"逆2対1"の状態になっていることや、14日間では不十分なケースもあることからすると、元々のECMOの評価が著しく低かったという問題はあるものの、現状においてこうした対応がなされたことは評価できる」と意見を述べたことを紹介。(2)については、「全国の医療現場において、医療従事者の方々は自らの使命感を支えに、感染リスクと対峙しながら懸命な治療を実施している。そうした医療従事者に対する危険手当的な要素としても、この対応は評価できる」と述べた。

 (3)に対しては、「こうした手続きを活用してもらうことで、各医療機関が同感染症患者の受入れ状況に応じて、必要な体制を柔軟かつ迅速に選択できるようになることを期待している」とした。

 また、小児の患者についても言及した同常任理事は、数が少ないものの、重症化例が報告されていることから、PICUやNICUの評価もICU等に合わせて引き上げるべきとの見解を示した。

 同常任理事は最後に、「これらの対応で十分というわけではなく、医療崩壊の危惧される現状においては、今後の状況に応じて更なる対応が必要になることも十分想定される」として、日医としてその都度対応していく方針を示した。

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