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令和2年(2020年)5月28日(木) / 「日医君」だより / プレスリリース

産業保健委員会「医療機関等における産業保健活動としての新型コロナウイルス対策」報告書について

 松本吉郎常任理事は、5月27日の定例記者会見で、日医産業保健委員会が取りまとめた「医療機関等における産業保健活動としての新型コロナウイルス対策」報告書について説明した。

 同報告書は、新型コロナウイルス感染症について、医療従事者が感染リスクや高いストレス等の下で働いていることを鑑み、産業保健活動の視点から医療従事者の健康と雇用を守り、医療機関等の業務継続を図るための方策について提言したものである。

 その内容は、(1)産業保健活動の目的、(2)産業医の立場、(3)総論[1.感染経路の遮断、2.感染者の重症化予防、3.濃厚接触者による感染拡大防止、4.高リスクな処置の重点的措置、5.心理的ストレスと長時間労働の緩和、6.労働衛生管理の推進]、(4)各論[1.作業環境管理、2.作業管理、3.健康管理、4.労働衛生管理体制、5.労働衛生教育]―から構成されている。

 (1)では、産業保健活動の目的として、「医療従事者等がSARS-CoV-2に感染しないこと(感染予防)」「医療従事者等が心身の状態に合わせて職務に従事できること(就業継続)」「医療機関等が診療や介護の業務を継続できること(事業継続)」の3つを挙げており、(2)では、職場や作業の改善と医療従事者等の健康確保を担う産業医の主体的な役割について、(3)や(4)では、そのための具体的な方策等を掲載している。

 同常任理事は、本報告書について、「5月25日に緊急事態宣言の延長が全面解除されたものの、第2波の再来等は予断を許さない状況で、第一線で働く医療従事者は心身ともに疲弊しており、本報告書が医療機関における勤務環境改善の取り組みに活用されることを期待したい」とした。

 なお、本報告書は5月31日に開催する「第1回全国医師会産業医部会連絡協議会」において、都道府県・郡市区等医師会や産業保健関係団体へ周知する予定となっている。

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