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令和2年(2020年)5月28日(木) / 「日医君」だより / プレスリリース

平成30年・令和元年度医師会共同利用施設検討委員会答申「医師会共同利用施設の意義とこれからの方向性」について

 松本吉郎常任理事は、5月27日の定例記者会見で、医師会共同利用施設検討委員会が会長諮問「医師会共同利用施設の意義とこれからの方向性」を受け、2年間検討を重ねた上で報告書を取りまとめ、5月19日、池田秀夫委員長(佐賀県医師会長)から横倉会長に提出したことを報告し、その概要を説明した。

 報告書は、(1)はじめに、(2)かかりつけ医機能の支援、(3)健康・予防面からの役割、(4)地域の在宅医療・介護を支える、(5)新たな視点から、(6)第28回全国医師会共同利用施設総会(分科会報告より)、(7)おわりに―で構成され、巻末には、参考資料として、「医師会共同利用施設である医師会病院へのアンケート報告」が添付されている。

 (2)では、地域医療支援病院である3つの医師会病院が救急医療や災害拠点病院として、また医療・介護連携においてもさまざまな面で地域医療に貢献し、かかりつけ医機能を支援している状況や、地域における分娩機能を補完した事例として、全国唯一の医師会立産科診療所「ティアラかまくら」を取り上げ、紹介している。

 (3)では、第三期特定健診・特定保健指導への佐賀県における取り組みや、2018年までの10年間のさいたま市における特定健診等の受診状況等を報告するとともに、健診標準フォーマットの本格運用についても説明している。

 (4)では、全国74の医師会病院へのアンケート調査結果等を基に、「医師会病院には在宅療養後方支援病院と開放型病床を合わせ持つような機能が求められている」とするとともに、京都府医師会の会員調査結果等を踏まえ、「在宅医療及び在宅医療・介護連携推進拠点は、増大・多様化する在宅医療ニーズに応えるために重要であり、在宅医療に取り組む医師会員を支援する共同利用施設としての意義は大きい」としている。


また、「多職種連携と在宅医療・介護連携推進事業」では、三重県の松坂地区医師会がICTを利用した多職種連携や在宅医療・介護連携拠点を医師会共同利用施設として行っていること等を紹介。、在宅医療・介護連携拠点は、地域包括ケアシステムの推進には不可欠なものであり、かかりつけ医と多職種や行政との連携をスムーズに行う上でも重要であるとしている。

 (5)では、宮崎市郡医師会共同利用施設における働き方改革への対応策とともに、群馬県や東京都医師会、函館市医師会病院等の外国人医療対策を、(6)では、第28回全国医師会共同利用施設総会分科会報告より各地域の事例が、それぞれ紹介されている。

 (7)では、今後の医師会病院の方向性として、「地域包括ケアシステムの構築は、これまで以上にかかりつけ医と連携し、介護予防や在宅医療の推進等の領域も含めて、働き方改革や外国人医療対策の問題にも対応しながら、会員医療機関への診療支援の中心的役割を果たしていく必要がある」と指摘。臨床検査・健診センターについては、蓄積している検査・健診データの積極的な利活用を行い、重症化予防事業や地域の医療連携のために、効率的にデータを共有させることが必要であり、在宅医療・介護保険関連施設については、健康寿命への取り組みを進めて頂くとともに、在宅医療・介護連携推進事業におけるさまざまなサービスを展開することにより、高齢者の生活支援等に寄与されることを願うとしている。

 最後に同常任理事は、新型コロナウイルス感染症の拡大についても言及。医師会病院や医師会立を始めとする健診・検査センターの経営状況にも多大な影響を与えているとして、今後、その詳細な分析・検証を行う必要がある」との考えを示した。

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