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令和2年(2020年)7月5日(日) / 「日医君」だより / プレスリリース / 日医ニュース

新型コロナウイルス対応下での医業経営状況等アンケート調査の結果を公表

日医定例記者会見 6月10・17日

 松本吉郎常任理事は、「新型コロナウイルス対応下での医業経営状況等アンケート調査」(3~4月分)を報告した。
 病院120、診療所533の計655施設(不詳2含む)から回答が寄せられ、4月末の時点で「新型コロナ感染症疑い患者さんの受診あり」と回答した病院は56・7%、診療所は35・8%であり、3月調査の数値から、病院で約8ポイント、診療所で約18ポイント上昇した。
 また、「PCR検査が必要と判断した患者さんあり」と回答したのは、病院62・5%、診療所31・9%であり、こちらは3月調査と比べると、病院で約14ポイント、診療所で約19ポイント上昇。同常任理事は、「4月には『緊急事態宣言』が発令されたが、調査結果も当時の状況を反映している」と分析した。
 「入院外の総件数・総日数・総点数」については、入院外総件数が前年同月比で、病院、診療所共に10%以上減少し、入院外総点数は、診療所で17%減となっている。
 診療所の診療科別では、耳鼻咽喉科と小児科で30%を超える減少となっている他、診療所において、同感染症疑い患者の受診有無による総点数への影響を調べた結果、疑い患者の有無にかかわらず、総点数が大幅に低下したことが明らかになった。
 「初診料、再診料、電話等再診の算定状況」では、初診料の算定回数(4月)が前年同月と比べ、病院で38・3%減少、診療所で40・0%減少。4月10日から特例的に可能となった、電話等による初診の算定回数及び実施施設はわずかであった。
 再診料等は、前年同月と比べ、病院で11・8%減少、診療所で14・0%減少している中で、電話等再診の算定割合は大幅に増加しており、急激に拡大している状況となっていた。
 診療所の診療科別では、4月の初診料算定回数は、前年同月と比べて、全診療科でおおむね3~4割減少。再診料の算定回数は、特に小児科の減少が大きい結果となった。
 外来受診の動向についての分析では、多くの病院、診療所が「長期処方の患者さんが増えた」と回答。病院は、3月調査より約14ポイント増えており、同常任理事は、「大病院は特に処方日数が長い傾向があったが、更に長くなっていることが推察される」と述べるとともに、無床診療所の経営への影響の試算で、4月単月で100万円の赤字になるほどの影響が見られたことから、「院長給与を含む固定費削減などの対応が直ちに必要な状況にあるが、現実には、大胆な経費削減が断行され、結果として、計算上の赤字幅はやや圧縮されている可能性もある」と分析した。
 最後に同常任理事は、本調査結果のまとめを改めて述べ、非常に厳しい結果であるという認識を示した上で、これまでこうした調査結果に基づき、国に支援を求めてきた結果、第二次補正予算において各種支援が盛り込まれるなど、対応も進みつつあることに言及。「補正予算が成立した後、実際に医療機関に補助を行うためには、都道府県の補正予算を成立させることが必要になる」として、都道府県医師会に対して、議会等への働き掛けを求める考えを示した。

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