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令和3年(2021年)1月5日(火) / 「日医君」だより / プレスリリース / 日医ニュース

新型コロナウイルス感染症を踏まえた診療に係る特例的な対応について

日医定例記者会見 令和2年12月9・16日

新型コロナウイルス感染症を踏まえた診療に係る特例的な対応について

 松本吉郎常任理事は昨年12月14日に持ち回りで開催された中医協の審議を紹介するとともに、翌15日に厚生労働省から事務連絡が発出された、新型コロナウイルスの感染拡大を受けた特例的な対応(①外来における小児診療等に係る評価②新型コロナウイルス感染症の回復患者の転院支援)についての留意点を説明した。
 同日の中医協では、新型コロナウイルス感染症に伴う医療保険上の対応として、①に関しては、特に手厚い感染症対策が必要であることを踏まえ、6歳未満の乳幼児の外来診療において、感染防止に留意した対応等を行った場合は、初診・再診にかかわらず、医科であれば100点を算定できるようにすることが、②に関しては、新型コロナウイルス感染症から回復した患者を引き受けた、転院先の入院医療機関の評価として、二類感染症患者入院診療加算の3倍相当の点数(750点)を算定できるようにすることが了承された。
 同常任理事は今回の中医協の審議について、新型コロナウイルスの感染拡大により、崩壊の危機に直面している医療体制への支援が必要であることを繰り返し主張してきたことを紹介するとともに、「今回のような対応が示されたことについては一定の評価ができる。非常に頑張って診療に当たっている医療機関に(臨時的な対応を)届けることができて良かった」との所感を述べた。
 その上で、①の留意点として、対象が小児科を標榜する医療機関には限定されていないことを挙げ、診療科だけでなく、病院・診療所等に関しても限定はされないことを強調した他、患者やその家族等に対して、感染防止等に留意した対応をしっかりと行っている旨を十分に説明し、同意を得ることが必要(口頭でも可)とされていることについては、医療現場に理解を求めた。
 また、②については、療養病棟や有床診療所も評価の対象となることを強調した。

今回の措置で健康への悪影響の軽減を期待

 同常任理事は、今回の対応への受け止めとして、「今回の措置をきっかけに医療機関が継続的に感染防止対策に取り組むことで、疾病を抱えつつも新型コロナウイルスの影響で医療機関への受診をためらっていた小児の患者とその保護者の方々が、安心して受診できるようになり、疾病悪化や健康への悪影響が少しでも軽減されることを期待する」と述べる一方で、「今後は重症患者等に対応できる急性期病院のみで現状を乗り切るのは不可能と考えられることから、今回のような、後方支援病床を拡充するための支援も不可欠なものとして評価したい」とした。
 更に、今回の措置は小児と後方支援病床への支援に限定されたものであり、決して十分とは言えないことから、引き続き、新型コロナウイルスへの対応に奮闘している全国全ての医療従事者に対して、精神的、人的・物的サポートが提供されるよう、更なる対応を要望していく考えを示した。

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