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准看護師が地域の医療を支えています 〜国民の皆さんへ〜

 日本の医療現場を支える「看護師さん」には、「看護師」と「准看護師」という2つの資格があります。看護師資格は3年間、准看護師資格は2年間の教育を受けて、それぞれ国家試験・都道府県知事試験に合格した者に与えられる資格です。

 平成12年末現在で、約68万人の看護師と約42万人の准看護師が、病院・診療所をはじめとした様々な施設で活躍していますが、慢性的なマンパワー不足が続いています。日本は、世界に例をみない速さで少子高齢化が進んでおり、看護職員の需給について真剣に考えなければならない時期に来ています。

 高齢化は今後も進展し、75歳以上の後期高齢者人口は2029年まで増加すると予想されています。75歳を過ぎると虚弱・痴呆・寝たきりになる可能性が急激に高くなることから、看護・介護を必要とする方はますます増えるでしょう。一方、少子化も加速していることから、看護学校へ進む新卒者も減少し、看護の担い手不足に更に拍車がかかることが懸念されます。

 このような状況に対応するには、社会人や家庭に入った方に活躍していただくのが現実的です。2年間という教育期間である准看護師養成所は、これらの方が新たに看護の道を志す場合に、最も学びやすいのではないかと考えます。実際に准看護師養成所に入学される社会人は増えており、また大変熱心に勉強されています。平成14年にはカリキュラムが改正され、より充実した教育内容になっており、また准看護師から看護師になるコースもあります。現在看護師として働いている方の半数程度は、准看護師を経た方と考えられます。

 さて、この看護職員不足は日本だけではなく、世界的な問題でもあります。中でもイギリスは深刻で、南アフリカ等からの外国人看護師に依存しているような状況です。反対に、国費を投じて養成した看護師を高い賃金によって引き抜かれる南アフリカ等は、自国の看護職員不足に悩まされているのです。イギリスには、日本の准看護師制度と同じ制度がありましたが、数年前に廃止しており、それがこの深刻な看護職員不足の1つの要因であることに間違いはないでしょう。日本も決して対岸の火事ではありません。現に、フィリピンは外貨獲得等の目的で、日本に看護・介護職員を派遣しようと攻勢をかけてきました。

 もし准看護師がいなくなれば、イギリスと同じ状況に陥ることは明らかです。お年寄りは、外国人の看護・介護職員の手で、果たして安心して十分なケアを受けられるでしょうか。十分なコミュニケーションが取れなければ、看護や介護は成り立ちません。自国の看護職員は自国で養成するのが当たり前ではないでしょうか。イギリスの轍を踏まないために、今後とも地域医療を支えるパートナーである准看護師を養成する必要があります。

 准看護師は誇り高き立派な職業です。准看護師の養成停止を主張する人たちもいますが、病める患者さんの看護をしたいという優しい気持ちを持った人が、看護職員になるための道は、たくさんあってもよいのではないでしょうか。確かに看護師になる道として考えるならば多少遠回りかもしれませんが、段階を踏まなければ看護師になれなかった方も大勢いるのです。

 准看護師制度へのご理解をお願いします。

 

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