日医ホーム日本医師会から >>サイトマップ  

准看護師問題について

 准看護師制度はカリキュラムも改正され充実が図られているにもかかわらず、なぜ未だに養成停止運動が続けられ、熱意と向上心をもって働く准看護師や准看護師を目指す人を傷つけるのか理解に苦しみます。

 国民の健康を守るために必要な医師や看護職員の養成は、本来国が責任を持つべきです。しかし、国の取り組みは不十分で、戦後地域医療に様々な支障が生じてきたため、各地の医師会が看護師・准看護師養成所を設置して養成に取り組み、地域医療を守ってきたのです。准看護師がこれまで果たしてきた功績は、誰にも否定できるものではありません。現在も、地域医療を支える実践的な看護師や准看護師を養成しているのは、国でも看護関係団体でもなく、各地の医師会や民間の学校です。看護職員を養成しない団体が、需給の問題も考えずに養成の停止を叫ぶのは無責任ではないでしょうか。

 医師会は、准看護師が看護師になることについて反対しているのではありません。准看護師の方が向学心をもって熱心に学ぶことは良いことですし、現に各地の医師会は40年以上も前から、准看護師の方が看護師を目指すための養成所(看護師2年課程)も設けています。

 看護職が2種類あるのはおかしいという意見もありますが、他の業種でも1級、2級といった資格区分があるものは多く存在します。また、どの業種でもそうですが、業務を円滑に進めるためには、指示系統と機能分担が必要です。看護業務も広範にわたっており、あらゆる業務を一手に引受ければ、いらぬミスを起こすことも考えられます。

 日本の看護体制は今後も看護師、准看護師、看護補助者の三層構造が最適であると考えます。看護職員の業務内容は各医療機関が担う医療によって異なりますので、それぞれの施設に適した看護職員の配置がなされることが大切です。その中で、准看護師は初期医療はもちろんのこと、高齢者の療養の分野での活躍も大変期待されています。また、特に地方やへき地においては看護師の確保が難しく、准看護師が地域医療を支えているという厳然たる事実があります。看護大学は増えていますが、研究に進みたがる傾向も見られますし、看護師として働く者のうち県内で働く割合は5割に過ぎず、必ずしも地域医療を担う実践的な看護師の供給に寄与しているとはいえません。

 今、看護界では、専門的な看護師を養成することにエネルギーが注がれています。確かに高度な医療を提供する病院には専門的知識を持った看護師が必要ですが、地域に密着した初期医療や高齢者の療養分野の看護職の確保も非常に重要な課題なのです。看護師の上に専門看護師を作るといった屋上屋を重ねる方向ではなく、看護の裾野を広げていくことがより重要ではないでしょうか。そうしなければ、日本の医療・介護は機能停止し、崩壊してしまうことは火を見るよりも明らかです。

 日本医師会は、国民・患者が安心して暮らせる社会を作るために、これからも准看護師制度を守っていきます。

※奨学金と勤務とを結びつけて「御礼奉公」と報道されることについて

これは奨学金を受けた場合に「○年」勤務した場合は奨学金の返済を免除されるというもので、勤務を義務付けるものではありません。都道府県行政が行う「看護師等修学資金貸与制度」や日本育英会等をはじめとしたさまざまな奨学金制度と同じ仕組みであり、何ら問題とされるものではありません。

 

  日本医師会ホームページhttp://www.med.or.jp/
Copyright (C) Japan Medical Association.
All rights reserved.