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私たちの見解

注:平成14年3月から「准看護婦」の呼称は法改正により「准看護師」に変更されていますが、このページでは原文発表当時のまま旧表記になっております。

 平成8年12月20日に開かれた厚生省「准看護婦問題調査検討会」において、「准看護婦問題調査検討会報告書」が一応の結論として承認されました。その後の本報告書に対する一部マスコミの取り上げ方については偏りがあり、特に日本医師会並びに医療関係団体の見解が正しく伝えられていないことは、誠に遺憾であります。報告書では、「21世紀初頭の早い段階を目途に、看護婦養成制度の統合に努めることを提言」し、「国において広く関係者と十分な協議を重ねながら具体的な検討を行うべきである」とされているのであり、報告書中には、准看護婦制度を廃止するとか、養成を停止するというようなことは書かれていません。

 したがって、まず冒頭で表明しておきたいことは、日本医師会の本問題に対する基本的姿勢は、准看護婦養成と准看護婦制度の維持ということであります。

 本制度廃止論の議論は、誠に遺憾なことではありますが「始めに廃止論ありき」で出発していることであります。昭和38年の医療制度調査会答申を初めとしてその議論の中心は何時も制度廃止論であり、その繰り返しでありました。何故議論の出発が「日本の看護制度の在り方」でなかったかと言うことが非常に疑問であり、今後この議論が行われるにあたっては、この点を議論することから始まることを強く提案したいと思っております。

 また、保健婦助産婦看護婦法違反の疑いのある業務を一部の准看護婦養成所生徒が行っていたとされることにつきましては、日本医師会としても都道府県医師会を通じて、准看護婦養成所長、医療機関等関係施設に改善を指導してきている所であり、看過していたわけではなく、その実効は上がりつつあったものと考えております。准看護婦の養成にあたり、特に残念なことは、奨学金と雇用契約問題が、「お礼奉公」の表現で、作為的かつ恣意的に喧伝されたことであり、誠に不満と言わざるを得ません。

 さらに、現在、准看護婦養成所を運営しているのは地域医師会であり、その運営当事者のほとんどが改善しつつ存続を希望していることを無視できるのか、冷静に考えていただきたいと思っております。昭和26年以来日本の医療を支えてきた准看護婦の大きな役割を無視し、少子時代、高学歴志向、看護職の供給過剰問題等を理由に准看護婦養成停止を主張することには、大きな矛盾があると考えております。

 また、地域医療の分野においては、現在も准看護婦に大きく依存しているのであり、看護婦供給体制のあるべき姿を示すことなく議論される現状を考えると、その安易な養成停止は地域医療の崩壊と混乱に繋がるものであり、寒心に耐えません。

 以上が日本医師会の准看護婦問題に関する見解であります。社会情勢、経済状況が不安定の中で、本問題はより慎重な検討と対応が必要であると考えております。

 最後になりましたが、日本医師会といたしましては、今後も医療の担い手として国民の生命、健康を守る立場から准看護婦養成問題に取り組んでいきたいと思っております。

 

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