日医ニュース 第932号(平成12年7月5日)
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今回解散した国会で廃棄物処理法が改正になった.改正の主な要点は,廃棄物処理センターにおける廃棄物の処理の推進,産業廃棄物管理票制度(マニフェスト制度)の見直し,廃棄物の焼却の禁止,支障の除去等の命令の強化等の措置を講ずることなどである.
このなかで,医療関係者が注目すべきなのは,マニフェスト制度の見直しについてである.今回,排出事業者責任が強化され,不適正処分の際のマニフェストの確認義務違反等については,措置命令の対象となり,排出した廃棄物を自ら除去するよう命令がなされることになった.
マニフェスト制度について説明すると,「事業者(病医院)は,産業廃棄物の処理を委託する際に,処理業者にマニフェストを交付し,処理終了後に処理業者からその旨を記載したマニフェストの写しの送付を受けることにより,委託内容どおりに廃棄物が処理されたことを確認することで,適正な処理を確保する制度」である.
今までの制度では,(1)中間処理を行う場合,中間処理の確認義務しか課されていないため,最終処分まで適正な処理を確保しなければならないとする事業者の責任が貫徹されていない,(2)罰則がないためマニフェスト交付義務の履行が確保されていない,(3)処分業者によって,実際には受託していないものの,処分終了を記載した架空のマニフェストの販売行為が行われ,不法投棄を助長している,(4)確認義務に違反した事業者が,措置命令の対象とされていないため,処分の確認義務の履行が確保されていない等の問題点があった.
よって,これらの問題点を改善するために,排出事業者が最終処分まで終了したことを確認する流れを創設し,(1)マニフェストの不交付および虚偽のマニフェストの作成や交付に直接罰,(2)確認義務違反は措置命令の対象として,不適正処分に関する原状回復等の措置命令の強化を行った.
ところで,先日行われた都道府県医師会長会議で,「医療機関が既存のルールを守っても,中間処理業者の医療廃棄物処理の不当な対応などの責任を問われることにならないか」との質問があったが,医療機関は処理業者からマニフェストの写しを受け,確認することで,責任は課されない.ただし,一定期間(産業廃棄物は九十日,感染性廃棄物は六十日)経過してもマニフェストが返却されない場合は,都道府県にその旨を報告すれば確認義務は果たしていることになり,原状回復等の責任は問われないことは厚生省と確認ずみである.病院管理責任者のマニフェストに対する認識を望む.