日医ニュース 第955号(平成13年6月20日)

「坪井栄孝 日本医師会会長叙勲受章祝賀会」
勲一等旭日大綬章の受章を祝う

 平成13年春の叙勲で,勲一等旭日大綬章を受章した坪井栄孝会長の祝賀会が,6月5日に都内のホテルで開かれた.これは,林幹三日医代議員会議長を代表とする発起人会が主催したもので,小泉純一郎総理大臣をはじめ,関係各界から1,100名の有志が集まった.また,アメリカ医師会長ら海外からの来賓も多数顔をそろえ,世界医師会長にふさわしく,国際色豊かな会となった.

 まず,糸氏英吉副会長の開会の辞に続いて,華やかな祝舞,長唄・連獅子が披露された.
 発起人を代表して,林幹三代議員会議長が坪井会長の業績,ことに東京宣言などの世界医師会での活躍を紹介.さらに,今後の世界医師会をリードする活動を期待し,前日に開催された東京会議に参加するために来日していた,海外からの多くのゲストの出席に感謝するとのあいさつがなされた.
 来賓の小泉純一郎内閣総理大臣は,橋本内閣での厚生大臣時代を顧みて,これからの社会保障・医療政策の実現には,日医と坪井会長の協力が不可欠であることを強調し,「日本が,世界で一番長生きできる国に成長したということは,医師会はじめ医療界の方々の精進,研究,努力のおかげである.これからは長生きを喜べる社会にしようというのが目標である.
 どうか,この最高位の叙勲を機会に,せっかく医師会の会長なのだから,身をもって自分が日本で一番長生きできたというくらいがんばってほしい.そして,これからのいろいろな改革の先頭に立って,われわれを指導いただきたい」と祝辞を述べた.
 ついで,ランドルフ・スモーク・アメリカ医師会長は,世界医師会での坪井会長の積極的な指導力を紹介した.森亘日本医学会長の代理として出席した高久史麿副会長からは,九十六の医学会の分科会を代表して,これまでの坪井会長の日本医学会での活動を紹介し,日医と日本医学会は,車の両輪として活躍するように努力していきたいと結んだ.
 次に,日医会員を代表して,安田恒人宮城県医師会長より記念品の贈呈と,お孫さん二人から花束が贈られた.
 謝辞に立った坪井会長は,次のようにあいさつした.「まず,これまでの日医会長としての活動を顧みて,思っていたほどの活動ができなかったことをおわびする.そういうわけで,今回の受章は私個人のものではなく,日本医師会全体に対する評価と考えている.
 また,世界医師会から出席された多くの友人が,昨日の東京会議で患者の安全について,熱心な討議をいただいたことに感謝する.
 先日,皇居で天皇陛下から勲章をいただき,小泉総理大臣から勲記を頂戴した.本日,その勲章を身につけて,皆さんに見ていただくことになったが,この栄誉は今日お集まりいただいた方すべての支援によるものである.この栄誉を日医にくださったということは,今までどおり,国民のために努力を続けていきなさいという激励の意味があるのだと思っている.今後ともご支援いただきたい」
 鏡割では,坪井会長地元の福島の銘酒がそろえられ,法被を着た坪井会長を中心に,国内外の各団体の代表者十余名によって,にぎやかに行なわれた.
 あいさつならびに乾杯に立った坂口力厚生労働大臣は,坪井会長の世界医師会での活動,ことに新しい医療と倫理について,また,ゲノムの研究とその限界について触れた.
 海外からの多くの賓客の紹介,祝電披露などが行われ,その後,各テーブルで活発な歓談が始まった.
 最後に,石川育成代議員会副議長の閉会の辞で,祝賀会は終了した.


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