日医ニュース 第968号(平成14年1月5日)


ORCAプロジェクト通信(第2回)


ORCAプロジェクトとは

 ORCAプロジェクトとは,各医療現場に標準化されたオンライン診療レセプトシステムを導入し,互換性のある医療情報をやりとりできるようにする日医の計画(ORCA:Online Receipt Computer Advantage)である.このプロジェクトでは,開発したレセプトプログラムやデータベースを全国の医師,医療機関がだれでも無料で利用・改良できる公開ソフトウェア(オープンソース)の方式をとる.また,ORCA方式のレセコンを標準端末として,情報の交換,蓄積,点数改定データの配信などができる,新しい医療情報ネットワークのインフラとして期待されている.
 このORCAプロジェクトは,昨年11月20日に行われた「日医IT化宣言」の中核を担うプロジェクトでもある.現在は,2002年4月の本運用を目指して,全国104カ所の会員医療機関と88社の協力業者(表1)に協力してもらい,レセプトプログラム(無床診療所向け)の試験運用が行われている.

表1

試験運用の進捗と本運用について

 ORCAプロジェクトは多くの会員のボランティア精神に支えられている.
 本試験運用に先立ち,昨年4月より,石川・愛媛・島根の9医療機関で準試験運用が行われた.現在の本試験運用は7月から開始され,いくつかの医療機関でレセプト出力の検証が行われているところである.進捗に差が出ているのは,プログラム開発に遅れがあったためと協力業者の技術力の差,データ移行対応が遅い既存レセコンメーカーがあるためである.このため,2002年4月からの本運用は業者のサポート体制が整った地域からスタートさせていきたいと考えている.ORCAレセコンではプログラムが無料になるが,ハード(PC)やメンテナンスに対する対価は,やはり必要となる.医師自身がORCAレセコンを組み立てれば,非常に安価なシステムが作れるが,レセプトコンピューターは医療機関の重要な業務システムであることから,一般の会員には地元業者からの購入,メンテナンス契約をおすすめする.現在,ORCAプロジェクトに登録済みの協力業者は表1以外に80社を超える.これらの業者は,技術力やサポート力を確かめたうえで順次紹介していく予定である.

評価版プログラムの提供について

 日医会員向け評価版プログラムのダウンロードを受付開始した.このプログラムを利用するためには,Linux(リナックス)のDebian(デビアン)というオープンソースの基本ソフト(OS)を導入したパソコンが必要である.マイクロソフト社のWindowsやアップル社のMacintosh上でダウンロードをしても,そのままでは利用できないので注意してほしい.

最近のトピックスと今後の予定

昨年11月20日 「日医IT化宣言」
昨年12月17日 会員向け評価版プログラムの受付開始
昨年12月18日 ORCAホームページに操作マニュアル公開
本年1月 労災・自賠への対応
プログラムの完全公開(オープンソース化)
本年4月 ORCA本運用開始
本年8月 入院への対応(試験運用開始)
電子カルテ開発キットの評価版

Q&A

○レセプト電算処理システムには対応するのか?
 対応する.現在は電子媒体による提出データを検証中である.また,将来考えられるオンラインでの提出にも対応していく.

○利用にはコンピューターの知識が必要か?
 必要ない.ORCA協力業者を通じて購入する場合は,現在のメーカー製レセコンの使い方を覚えるのと大差はない.

○有床診療所や病院には対応するのか?
 対応する.評価版プログラムの完成は来年夏の予定である.

<ORCAプロジェクトの詳細な情報は下記のホームページで紹介しています>
http://www.orca.med.or.jp/


日医ニュース目次へ