日医ニュース 第976号(平成14年5月5日)

医療に関する広告規制の緩和
団体・学会は届出が必要


 厚生労働省は,四月一日から,医療に関する情報開示を進め,患者の選択の拡大を図るために,医療に関する広告規制の緩和を決定し,関係方面へ周知した.緩和される分野は,医療の内容に関する情報,医療機関の構造設備・人員配置に関する事情,医療機関の体制整備に関する情報,医療に対する評価,医療機関の運営に関する情報その他となる.
 これらを受けて,櫻井秀也常任理事は,四月十六日の記者会見で,広告規制の緩和について次のように説明を行った.
 「ポジティブ・リストに挙がってきていた事項をさらに拡大し,今回,大幅な緩和が行われた.特に,専門医資格の広告に関しては,(1)学術団体として法人格を有している(2)団体の会員数が千人以上であり,かつ,会員の八割以上が医師・歯科医師である(3)カリキュラムに基づき五年以上の研修を行っている(4)資格の取得に当たって適正な試験を実施している(5)資格の更新制度を設けている(6)団体の会員および認定した専門医の名簿が公表されている(7)専門医の資格要件を公表している(8)一定の活動実績を有し,その内容を公表している(9)問い合わせに応じる体制が整備されている―ことなど,ある程度の外形基準が定められた.
 日医としては,専門医の広告緩和については反対の立場を取ってきたが,それは問題のある学会が存在し,そういう団体の専門医だと名乗って広告することは国民に迷惑を与えるという懸念があったためである.しかし,(1)外形基準を設ける(2)自分で専門医を選びたい人のために門戸を開く―ということに日医として同意したため,今回の広告規制緩和に至った」
 また,櫻井常任理事は,専門医の広告は四月一日からすぐに行える旨の報道が一部でなされたが,基準を満たした団体や学会からの届出を,厚生労働大臣が医学医術に関する団体の意見を聞き,客観性を担保して受理し,公示するという諸手続きが必要であり,その他の制限もあるので,四月十六日現在で公示されている団体・学会がないという説明を行った.
 専門医を選ぶ必要がある場合には,かかりつけ医に相談して選ぶ方がうまくいくという,基本的な日医のスタンスは今後も継続していくと,併せて主張した.

広告規制を緩和することとした事項
  • 次の基準を満たす団体から専門医の認定を受けた医師・歯科医師がいる旨
    ・学術団体として法人格を有していること
    ・団体の会員数が1,000人以上であり,かつ,会員の8割以上が医師・歯科医師であること
    ・カリキュラムに基づき5年以上の研修を行っていること
    ・資格の取得に当たって適正な試験を実施していること
    ・資格の更新制度を設けていること
    ・団体の会員及び認定した専門医の名簿が公表されていること
    ・専門医の資格要件を公表していること
    ・一定の活動実績を有し,その内容を公表していること
    ・問い合わせに応じる体制が整備されていること
  • 治療方法
  • 手術件数
  • 分娩件数
  • 平均在院日数
  • 患者数
  • 次に掲げる医療機関である旨
    ・公害健康被害の補償等に関する法律の公害医療機関
    ・戦傷病者特別援護法の指定医療機関
    ・小児救急医療拠点病院
    ・エイズ治療拠点病院
    ・特定疾患治療研究事業を行っている病院
    ・小児慢性特定疾患治療研究事業を行っている病院
    ・精神保健福祉法に規定されている措置入院を行っている病院
  • 医師・看護師等スタッフの患者数に対する配置割合及び人数
  • 売店,食堂,花屋,喫茶店,床屋,一時保育サービスの実施等がある旨
  • 他の医師又は歯科医師の意見を求める患者に協力する体制を確保している旨(いわゆるセカンドオピニオンの実施)
  • 電子カルテを導入している旨
  • 患者相談窓口を設置している旨
  • 症例検討会を開催している旨
  • 入院診療計画を導入している旨
  • 医療安全のための院内管理体制が整備されている旨
  • (財)日本医療機能評価機構が行う医療機能評価の個別具体的な審査結果
  • 病床利用率
  • 病院・診療所を経営する法人の理事長の略歴
  • 外部監査を受けている旨
  • (財)日本適合性認定協会の認定を受けた審査登録機関に登録している旨
  • 医療機関のホームページアドレス


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